新型コロナウイルスの集団感染の危険性が高い場所の一つとして挙げられるライブハウス。終息が見通せない中、豊橋市駅前大通1のライブハウス「club KNOT(クラブノット)」も、イベントが中止、延期となるなど、苦境に立たされている。今後の経営への不安もある中、空いたステージを本番さながらの練習に使ってもらおうと、安価で貸し出しを始め、この難局を耐え忍んでいる。
密閉空間、換気が悪い、そんなイメージのあるライブハウスだが、地上にあるノットは大きな換気システムを備え、10分間に1回、稼働させることで新鮮な外の空気と入れ替えられる。現在は、小規模イベントでも、体調不良の客の入場を断り、入口では1人ひとりの手にスタッフが除菌用のアルコール液を吹きかける。ドリンクの提供は使い捨てのプラスチックカップに変更、感染予防対策を徹底している。
だが、先の見えない自粛モードに不安も募る。政府は集団感染を防ぐため、避ける場所としてライブハウスとスポーツジムを名指し。ノットでも、3月に予定していた人気のライブ五つがなくなるなど、収入は激減。「毎日ちょっとずつきつくなっている。世間のライブハウスに対する印象も悪くなっていると感じる」と尾藤元昭代表(41)は現状を打ち明ける。
政府の自粛要請が長引けば、さらにキャンセルが出る懸念もある。「ライブハウスは個人経営も多く、月によっては大赤字。自転車操業のようなもので、非常事態に持ちこたえる体力はない」と話す。
それでも、「ライブハウスに来るのが人生の楽しみ、生きがいの人もいる。そういう人の心のよりどころがなくなる。演者と来てくれる観客のため、営業を続けていきたい」と、歯を食いしばる。
貸し出す際には、音響と照明のスタッフ2人が付き、本番を想定した演奏が行える。「音作りやライブ演出の打ち合わせに活用してほしい」と呼び掛ける。練習のほか、アーティスト写真やミュージックビデオの撮影スタジオとしての使用も可能で、他にユーチューブ撮影やライブ配信などの相談にも乗る。
利用は1時間5000円(税別)。スタジオの空き日程は19、25、26、30日。問い合わせはクラブノット(0532・57・3655)へ。
(飯塚雪)