役者が水田で除草作業

2020/06/29 00:00(公開)
大正時代の除草作業を再現する舞台出演者=いずれも豊橋市大崎町で
大正時代の除草作業を再現する舞台出演者=いずれも豊橋市大崎町で
「神野新田物語」出演者ら時代を実体験

NPO法人「ひとすじの会」(宮下孫太朗理事長)が取り組んでいる舞台出演者による稲作が進んでいる。28日は豊橋市大崎町境松の水田で、除草作業があった。
 出演者自らが5月に手植えしたコシヒカリの苗は、約50㌢の丈にまで伸びている。田は休耕田だった5㌃を借り上げ、除草剤や殺虫剤を使わない無農薬栽培を続けている。週に1度は見回りに来ているといい、生育は順調のようだ。
 この日、使用したのは「馬蹄型除草機」4台。農家などで借りた。腰ほどの高さがあり、苗の間を押していくと、下部に取り付けられた刃が、雑草の根を刈り取り、同時に土壌をかき混ぜて、酸素を取り込み、メタンガスを外に出す。
 舞台「神野新田物語」の脚本を書いた杉浦博人さんによると、70代前後の人なら、農作業で使っているのを見た記憶があるという。神野新田土地農協が発行した年鑑(明治20年~昭和25年)によると、1913(大正2)年の記録に「馬蹄形手押除草機を始める」との記載があり、一帯で広く使用されていたらしい。「神野新田資料館」には、大きさが半分ほどの子ども用の除草機が収蔵されているといい、農家では子どもが労働力として使われていた時代だったことが分かるという。
 出演者5人は、泥に足を取られながら、もんぺ姿でゆっくりと水田を往復した。杉浦さんは「土の匂いを感じ取って、役作りに生かしてほしい」と話していた。
 今後、9月頃には鎌を使った稲刈りをする。そして、はさかけ、大正時代の足踏み式機械を使った脱穀などを経て、自分たちが育てた米を炊いて食べる。
 歴史群像劇「神野新田物語」第2話「開拓の時代」は、新型コロナウイルスの影響で7月に予定していた公演を来年に延期した。第2話のテーマは「明治・大正の米づくり」のため、役者たちが実体験している。6歳から85歳までの約60人が出演する予定だ。
【山田一晶】
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