新型コロナウイルス禍で、修学旅行や入学式、それに部活やイベントなどがすべて自粛となった大学生が、同じような思いをしている全ての人たちに夏の思い出を作ってもらおうと21日午後4~9時、一夜限りの夜店を豊橋駅南口駅前広場で開く。
この催しは、節目のイベントのほか、部活や毎日の給食まで、自粛で思い出を作る機会が減った豊橋創造大学の大学生7人が主催する。今回が初めて。
会場では、トルコアイスやたこ焼き、空揚げのキッチンカーが出店する。昔ながらのメダカすくい、射的も楽しむことができるほか、地元エフエム豊橋のケンヂブリッチさんが登場、「大崎しおかぜ太鼓」が演奏を披露し、夏の夜を盛り上げる。また、午後6時と8時に豪華抽選会がある。会場内での買い物か、浴衣での来場で抽選券が手に入る。
主催者の一人、同大の山本奨悟さんは「先輩たちが大切な思い出としているイベントがことごとく中止になってしまいました。何もなかったなと嘆いている友達も多い。せめて自分たちで一夜だけでもイベントを開き、1人でも多くの人の思い出となったらうれしいです」と話す。
編集後記
部活、給食、修学旅行、文化祭。あらゆる日常やハレの日を自粛で経験できなかった世代を目の当たりにし、日本の大人の意思決定の遅さがこの被害を拡大させていることを痛感し、深く深く反省する取材となった。
なぜ、岸田文雄首相を含む世界の首脳は「密」な場所でマスクをしないのか? 国内に戻るとマスクの姿に戻るが。なぜ世界の街並みは通常に戻っているのか。なぜ世界のスポーツは、コロナ前に戻り8万人の観衆が声援を送っているのか? なぜ日本の高校サッカーは1人の感染者でチームが全国大会の準決勝を辞退しなければいけないのか。なぜ日本の甲子園は1人の陽性者でベストメンバーで臨めないのか。
なぜ日本のマスコミは、感染者の数を意味もなく垂れ流し続けるのか? 生きる限り、リスクはゼロではない。死の理由は、交通事故かもしれないし、コロナかもしれないし、風邪かもしれないし、がんかもしれない。全ての死が怖ければ、家の中にシェルターを作って暮らせば良い。そうしないのは、生きる意味なり、幸せを追求する権利なり、自分が自分であるための何かをしたいから、自分のしたいこと、すべきことをリスクを負ってするのだ。
大切なのはメリットとデメリットをてんびんにかけることだ。周りの目、空気、ではなく、科学的根拠に基づいて。
【本紙客員編集委員・関健一郎】