キャンプ場特化で大型連休や夏休み盛況
長引く新型コロナウイルスの影響で海水浴場の運営を中止し、4月からキャンプ場単独で再出発した田原市仁崎町の「にさきキャンプ場」。大型連休や夏休みに家族連れなど大勢の利用者でにぎわい、好調な滑り出しを見せた。キャンプ場に特化しての再出発に、運営する仁崎観光開発組合の加藤高志代表は「できることは何でも試す」と意気込む。
地元住民ら10人のメンバーで運営する。未経験のメンバーが多い中での再開だったが、キャンプ場運営を楽しんでいるようだ。
「夕日を眺めて過ごす時間などは、地元のよさを再発見できる」と加藤代表。地元高校生のアルバイトも採用した。地元への愛着を持ってほしいと期待する。
再出発1年目は、天候不順やコロナ感染拡大でキャンセルも増えたが、8月中旬までに約100組が利用した。市内唯一のオートキャンプ場や名物の「ドラム缶風呂」も人気だ。9~10月は過ごしやすく、さらなる利用者増を見込む。
課題は財源の安定確保や利用者マナー順守
一方、半年近い運営で課題も見えた。最大の悩みは膨らむ人件費だ。「メンバーの負担で賄うところが大きい。安定財源を確保して持続可能な運営を目指す」という。ルールの順守も悩ましい。夜遅くまで騒ぐ利用者への周知を徹底し、他の利用者との調和を保ちたいという。ドラム缶風呂の増設やオートキャンプでの要望が多い電源確保なども課題だ。
また、海水浴場の復活も検討課題に挙がる。土日曜と祝日限定での開催を模索している。
加藤さんは「昔ながらの雰囲気への支持者も根強い。特有の体験を売り物に、やりたいことには挑戦したい」という。
【岸侑輝】