廃車ガラスをアートに 豊橋「吉田商会」が無償提供

2023/05/09 00:00(公開)
アートガラスを紹介する吉田会長=豊橋市内で
 不要になったフロントガラスを芸術作品に生まれ変わらせませんかー。豊橋市下地町で自動車解体やリサイクルパーツ販売など手掛ける「吉田商会」は、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みと地元の文化振興などを目的に、廃車の前面ガラスを「アート作品として使いたい」という作家や学生に無償で提供する。吉田廣喜会長の発案だ。
 同社は約30年前からフロントガラスに絵を描く「アートガラス」に着目。静岡県内の芸術家にガラスを大量に提供したことがある。
 透明な特性を生かして裏表両面を使い、ラッカーや絵の具などで着色したほか、砂利や石、紙粘土、木炭などをボンドで貼り付けて立体感のある風景画を何点も作ったという。2000年にドイツで開かれた「ハノーバー万博」のウォルフスブルグ協賛豊橋会場に同社が出展した際、その中の作品を現地自動車メーカー2社に寄贈している。
 その後しばらく「アートガラス」の構想からは遠ざかっていたが最近、同社が出展する展示会場などで近隣ブースの企業が廃材利用の提案などをしているのを見かけるようになった。「使えるパーツをそのまま廃棄するのはもったいない」との思いが吉田会長の中でどんどん大きくなり、提供を広く呼びかけていくことにした。
 用意できるのは軽トラックに使われる透明ガラスのほか、薄く色の付いた乗用車用、ワンボックスカーの大判ガラスなど。厚みのある素材を貼り付けて半立体の作品を楽しむのもいいし、ステンドグラス風に着色して光に透かすのもいい。色の濃いブロンズガラスなどは地色を生かして夜景の表現などにも使えそうだ。
 「要望があれば廃車になる車からガラスを外し、用意できたら取りに来てもらうか配達する。創作の手伝いをしたい」と吉田会長。会社で保管している「剣岳」など山や風景を描いた「アートガラス」を見本に貸し出すことも可能だという。
 「廃材の有効活用と、それ以上に地元の文化を育てたい。フロントガラスがその一助になれば」と吉田会長は話す。問い合わせは吉田会長(090・3578・4478)へ。
【田中博子】
剱岳を題材にした作品
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