「特殊詐欺対策ニャン(官)」にトラちゃん

2023/05/13 00:00(公開)
竹村署長から特殊詐欺対策ニャンの報酬を受け取る倉橋さんを見守るトラちゃん(右から)=豊橋署の署長室で
豊橋署が委嘱、啓発活動などで活躍へ

 豊橋署は12日、「特殊詐欺対策ニャン(官)」に、雄猫「トラちゃん」を任命した。14日の母の日に向けて、豊橋市内の店でトラちゃんの写真入りチラシを配り、特殊詐欺被害防止を呼びかける。
 トラちゃんは13歳。同市中世古町の「イグラ会計事務所」に住んでいる。飼い主で税理士、倉橋健二さんが竹村賢二署長と懇談中に猫の話になった。現在、事務所にはトラちゃんを含め4匹が生活している。同署は2021年12月、倉橋さんらの尽力で「わんわんパトロール隊」を結成した。愛犬家が犬の散歩をしながら交通安全や地域防犯に協力する。今回はその猫版として、トラちゃんが特殊詐欺被害防止に協力することになった。
 今年の同署管内は4月末現在、9件の特殊詐欺被害を確認している。前年同期比4件増。被害総額は約1億2000万円で、厳しい状況だ。
 この日、ケージに入れられて署長室に来たトラちゃんを、竹村署長が特殊詐欺対策官に委嘱した。報酬として猫のおやつ「CIAOちゅ~る」のセットが贈られた。
 この後、「ニセ電話にだまされニャイ!」と書かれ、トラちゃんが載っているチラシ1000枚を菓子店、花店などで配った。このうち「東新町もちや」では、大福餅などを買い求める人に店員が「気をつけてください」と声をかけ、品物と一緒にチラシを渡した。
 倉橋さんによると、トラちゃんは事務所員が自動車修理工場から1週間の約束で預かってきた。「新しい飼い主がすぐ見つかる」という話だったが、結局は事務所に住み続けることになった。
 ほかに「一太郎」「ゲン太」「ブチ」がいる。すべて雄。捨てられていたり、地域猫にした後に事務所に上がり込んだりした猫たちだ。
 事務所の中を自由に行き来しているが、来客があっても逃げないのはトラちゃんだけだといい、今回の”大役”を任された。最初は多くの報道陣に驚いた様子だったが、すぐに慣れ、リード付きの状態で室内の探検を始めた。最後は署長の机の上で寝てしまい、竹村署長が「また連れてきて」と頼んだという。
 倉橋さんは「捨て猫だった子が社会のために活躍する。みんなの希望になる」と話している。
【山田一晶】
来店客に詐欺被害防止のチラシを手渡す店員=東新町もちやで
会計事務所でくつろぐトラちゃん
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

藤城建設 虹の森 光生会 蒲郡信用金庫 さわらび会 住まいLOVE不動産
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 全国郷土紙連合 穂の国