田原市田原町に洋菓子カフェ「ラ・クラルテ」が人気となっている。昨年11月オープンした。淡い青をイメージカラーにした落ち着いた雰囲気の店内で、定番のイチゴのショートケーキや、シンプルながらかわいらしい創作菓子を楽しめる。
店長は地元出身の巻口達郎さん(30)。店を一人で切り盛りする。「物心ついた頃から『将来の夢はケーキ屋さん』と言ってました」と語る。渥美農業高校を経て豊橋調理製菓専門学校を卒業後、名古屋の菓子店やコーヒー会社直営の飲食店などで修業を積んだ。
モットーは「素材の味をしっかり引き出し、シンプルに」。特に小麦粉の扱いには自信があるといい、生地に柔らかさがほしい時と、弾力がほしい時で小麦粉を使い分けている。
店内は巻口さんが好きな月やクラゲ、天気雨(晴れている時に降る雨)をイメージしたという。電灯の下に飾られている青いビニル傘が雰囲気を出している。店名はフランス語で「透明感」などの意味。
生菓子は看板商品でヨーグルトとかんきつ風味の青いゼリーがさわやかな「クラルテ」、ハートの形がかわいいイチゴとチョコのムースケーキ「ハーツ」、西尾市の「松鶴園」の抹茶を使った「ちとせみどり」、新作のカフェモカケーキ「ジムノペディ」など約10種。焼き菓子はショコラ、タルト、シフォンケーキなど約20種が並ぶ。どれも素朴であっさりした優しい甘さだ。材料はできるだけ田原産を使っており、旬に併せてラインアップが変わる。
持ち帰りのほか、店内のカフェスペースでコーヒーと一緒にケーキセットを楽しめる。中身を自由に決められる焼き菓子ギフトボックスもある。予約があればホールケーキも受け付けている。
地元で夢をかなえた巻口さん。オープン当初は忙しく、精いっぱいな日々が続いていたが、達成感や誇らしさを感じているという。「地元で開いて良かった。人のつながり方や雰囲気が肌に合っている」と笑顔で語った。
今後は他では見ないような創作菓子を増やしていく。コーヒーにも力を入れ、オリジナルブレンドを出したいとしている。「一つずつしっかりと手を付けていきたい」と話した。
午前11時~午後5時頃。毎週月曜と第2、第4火曜定休。問い合わせはラ・クラルテ(0531・27・7745)へ。
【岸侑輝】
新作のジムノペディをPRする巻口店長
ショーケースに並ぶユニークな生菓子