豊橋のエクスラージ、県人権啓発コンペで初採択

2023/11/18 00:01(公開)
人権週間の県啓発コンペで初採択されたエクスラージの共田社長㊥ら=東愛知新聞社で
 豊橋市の広告企画制作会社「エクスラージ」は、県の啓発広報事業で公募した人権週間(12月4~10日)の企画コンペで初採択された。大手代理店が競合する「狭き門」に4度目の挑戦で初めて選ばれた。記録が残る06年度以降の採択者のうち、東三河の制作会社は初という。
 7社が参加したコンペは2回の選考で企画書とコンセプト、広報ポスターの図案やキャッチコピーを審査する。ポスターはメイン図案と「性的少数者」「部落差別」などの四つの課題ごとに図案とコピーを作った。
 最終選考には5社が残った。同社は「気づけば、築ける」をコンセプトに、気づきが人権を尊重し合う社会につながるメッセージを込めた。人権問題を明るく簡素に表した手法が評価された。採択に伴い啓発冊子も同社で手掛けた。
 企画デザインを統括した山本訓之さんは「イラストの手や指の動き、言葉づかいなどにも差別や偏見が隠れている。繊細な問題を扱うため細心の注意を払った」と制作工程を振り返った。
 コピーライティング担当の渡辺美咲さんは「性的少数者の課題でもカミングアウトしやすい環境作りではなく、しない選択肢もあるという視点など多くの気付きに出合えた」と語った。
 挑戦4度目での初採択に共田慎性社長は「経験も人材も豊富な大手と互角に渡り合い、社員の自信にもつながる。誇らしいですね」と喜んだ。
 採択された企画デザインはポスターや啓発冊子として県内全域に掲示、配布される。主要駅や新聞、ラジオCMなどの媒体広告にも出稿する。
【加藤広宣】
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