「ドラ基地」手掛ける蒲郡の村井さん

　米マサチューセッツ工科大学（ＭＩＴ）の国内卒業生らで開く「第23回ＭＩＴベンチャーメンタリングフォーラム」（ＶＭＰ）で、蒲郡市三谷町でトラック中継輸送システムを手掛ける村井美映さん（スペース社長）が最優秀賞を含む８冠に輝いた。村井さんは「受賞もうれしいが、メンター（助言役）の的確な助言でさらに完成度が増した」と成果を喜んだ。
　国内に拠点を置く同大卒業生で作るＮＰＯ「日本ＭＩＴベンチャーフォーラム」が、革新的な事業提案や起業家の発掘や支援を目的に開いている。
　村井さんは５人のファイナリストとして12月２日に東京都内であった最終発表会で、中継輸送システム「ドラ基地」を生かした運送会社同士をつなぐマッチングプラットフォームを提案。運転手の長時間労働が是正される物流の「２０２４年問題」を背景に審査員から高評価を受けた。最優秀賞で、団体創設に尽くした長島雅則さん（インフォマティクス取締役ファウンダー）を冠した「長島賞」（賞金１００万円）など、12部門のうち８冠を手にした。
　ファイナリストには約３カ月のメンタリング期間で、経営の専門家をメンターに計画見直しや磨き上げなどで助言を受けた。村井さんは担当メンターから、商品やサービスの普及率が跳ね上がる分岐点「クリティカル・マス」を意識したネットワーク効果の手法を教わったという。
　ドラ基地を生かしたプラットフォームは過去にも、国内各地のビジネスプランコンテストで受賞を重ねている。将来性を見込む投資家の注目度も高まっている。
　８冠受賞について村井さんは「提案内容が審査員の心に突き刺さったと思う。メンターの助言で事業プランの完成度はさらに高まった。着眼点の良さを褒められ、積み重ねてきたプランに確信が持てた」と喜んだ。
【加藤広宣】