伊木さんが文化庁長官表彰

2024/01/23 00:00(公開)
伊木さん=御津あおば高校で
 県立御津あおば高校教員で日系ブラジル人の伊木ロドリゴさん(37)=豊橋市北島町=が、日本の多文化共生に大きく貢献したとして、今年度の文化庁長官表彰を受けた。現在は学校教員として教壇に立つ傍ら、県内外で日本語教育支援をするほか、キャリア教育や命の大切さについて講演している。
 伊木さんはブラジル出身。10歳の時に両親、弟と家族4人で来日した。豊川市内の市立小中学校に通った。小学生の頃は日本語が話せないこともあり、いじめを受けたという。「同級生の言葉が分からず、行事などの準備に協力できなかった。今思えば、そのことがいじめにつながったと感じる」と振り返る。中学では担任だった前田成人さんから漢字を徹底的に学んだ。英語も頑張り、県立御津高校(現御津あおば高校)へ進学した。
 高校では突然、病気に襲われる。1年生の時に白血病になり入院した。留年し、4年かけて高校を卒業した。県立大学へ進学。卒業後は教員となり、中学校へ。現在は中学と高校の人事交流で、御津あおば高にいる。
 大学時代には日本語教室を開設し、海外から日本へ来た子どもたちへ言葉を教えた。さらに自身のこれまでの生い立ちを通して、キャリア教育や命の大切さを伝える講演会を数多くしている。
 伊木さんは「マイナスの経験が人生では必ずしも悪いものではない。白血病で卒業が1年遅れたが、ちょうど県立大学に推薦入学制度が導入され、合格できた。3年で卒業していたら別の人生になっていた」と話す。「目の前につらい事があっても、それが人生を変える大きな分岐点につながる可能性があることを伝え続け、今をしっかりと生きる大切さを訴えていきます。そのことが外国籍の子どもたちが弱音を吐かず、壁を乗り越えていける後押しにもつながると思います」と力を込めた。
【竹下貴信】
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