山形県の農業法人「やまのカタチ」の天野昂汰社長が、「農業を通じて伝えたいこと」と題して、田原市の田原文化会館で講演した。市内を中心に農家や学生など70人が耳を傾けた。
　天野社長は山形県出身。祖母の果物農家を継いで、サクランボやラ・フランスなどの果物の生産加工販売などを手掛けている。
　農家を継ぐ前は青果物仲卸会社などに勤めていた。付き合いのある農家から聞いた苦労を聞き、どうにかしたいという気持ちが、自分を振り返るきっかけになったという。「山形以外の農業を知って、山形に還元したい」と思い立ち、全国を巡る旅に出た。田原市にも立ち寄り、農業仲間ができたことが今回につながった。
　旅を通じて出会った仲間や、さまざまな挑戦が大切な財産になったといい、「やろうとすることを批判する人もいるかもしれない。でも、夢を大切にして挑戦していけば、必ず応援してくれる人が現れる」と学生に向かって語った。
　質疑応答では熱心なやりとりがあった。「農業を通じて、こんな生き方や人生があってもいいんだ、と伝えたい」と結んだ。
【岸侑輝】