高校野球の「第55回記念明治神宮大会」は、横浜が優勝した。27年ぶり2度目。今夏の神奈川県大会から2年ながら主将を務めたのは、「愛知豊橋ボーイズ」出身の阿部葉太外野手だ。決勝では二回に追加点となる2点二塁打を放ち、チームを勝利に導いた。
中学時代の恩師、中野哲伸監督は「線が細くかったがストイック。プレーで引っ張るタイプだった」と振り返る。中学2年夏からは主将として個性派ぞろいのチームをまとめ、全国8強に導いた。東海大会で準優勝の常葉菊川には、中学時代のチームメート鈴木瑠惟と石黒巧の両選手がいる。「センバツでは両校が戦うところが見てみたいな」と教え子対決を夢見ている。
父一彦さん(46)は家族3人と現地で観戦。最終回は「『何とか抑えてくれ』と勝利を信じて家族と手を握っていた。勝った瞬間は自然と涙が出てきた」と語る。
進学先を決めたのは中学2年の夏。ボーイズ卒業生で横浜出身の立花祥希(国学院大)が練習に来て「甲子園に出たいという気持ちはすごく大事だが、どこのチームを選ぶかも重要」とメッセージを残した。「この言葉で横浜に行こうと決心したのでは」と推測する。一彦さんは県内の強豪校を進めたが、2年冬に「やっぱり横浜に行きたい」と告げられた。
家族5人で横浜の寮まで車で送った。「先輩と仲良くなれるかなど不安だったが、葉太の希望に満ちあふれた表情を見てやってくれると思った」と振り返る。
俊足巧打を武器に、1年夏からはスタメン出場。一方、チームは2年連続で夏の県大会は準優勝だった。「目の前で胴上げを見る悔しい経験が強くしたのでは。冬に鍛えて1試合でも多く戦っている姿を見せてほしい」とエールを送った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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