豊橋市駅前大通3の「水上ビル」にある大豊商店街が10日、1964年の商店街開きから60年を迎えた。50周年の2014年に理事長に就任した黒野有一郎さん(57)は「牟呂用水の上にある建物の独自性を強みにこの10年やってきた。面白いことをする若者や商店街に関わってくれる人が増えてきた」と振り返る。
近年は空き店舗を活用したアンティークマーケット「雨の日商店街」やアートイベント「sebone」など、ユニークなイベントを開催。23年には文化施設「みずのうえ」を設立、同年からはプロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」のホーム商店街となり、パブリックビューイングなどを企画した。
雨の日商店街について黒野さんは「長年締め切った店舗を出店者の売り場として活用したことで、空き店舗を貸す動きが加速した。当時は空き店舗が10以上あったが、今はゼロ」と話す。昭和レトロと令和の新しさが共存する雰囲気が若者に人気で、今年に入り4~5店舗が新たにオープンした。
昨年、水上ビルに残された時間を20年と仮定した「シン20年生き延びる宣言」を発表した。「建物自体は古びているので、手を加えていかないといけない。そろそろどうやって幕を閉じるか考えないと。市などと連携して幸せな形で終われるようにしたい」と語った。
来年は「60周年イヤー」となる。商店街の北側に60周年ロゴをあしらった紅白のフラッグを飾る。そのほか、クラウドファンデングを活用したアーケード改修や、フェニックスの鹿毛誠一郎さんのキャラクター「カゲっち」のグッズ制作、フリーペーパー「大豊ジャーナル」の発行などを進める予定という。
この日、ビル内の集会場で60周年を祝う祭礼があり、関係者らは商店街の今後の発展を祈った。式には商店街組合の関係者や市担当者、鹿毛さんら25人が出席。鹿毛さんは「フェニックスもちょうど60周年で同級生。商店街に助けられてクラブが成長できた。今後も一緒に歩んでいきましょう」とエールを送った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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