「豊橋村井弦斎研究会『楽水』」は26日、「村井弦斎誕生祭食事会」を豊橋調理製菓専門学校で開いた。村井弦斎(1863~1927年)を通じて食育を広めるなどした51人が招かれ、小説「食道楽」に登場した料理に舌鼓を打った。
吉田藩校「時習館」で教える儒学者の家に生まれた。「食育」の大切さを唱え、2005年施行の食育基本法にその思想が生かされたことで「食育の父」とも呼ばれる。「食道楽」は報知新聞の連載で、料理小説の先駆けといわれる。
食事会は13回目。研究会発足前から、誕生月の1月(旧暦12月)の時期に、再現メニューを楽しむ会として続く。神奈川県平塚市で「村井弦斎まつり」を開催している実行委員会のメンバーらも招かれた。
この日の料理「大寒御膳」は、研究会顧問の豊橋調理製菓専門学校の鈴木良昌校長らが手掛けた。冬が旬の食材を中心に、タイの早造り、サワラの菜種焼き、フキの炊き込みご飯など。食道楽冬の巻に登場したトンポーローの現代風アレンジと黒豆茶が出された。
会幹事の冨安廣次さんが弦斎を紹介。鈴木校長の弦斎との出合いや、料理の紹介もあった。研究会発起人の岩瀬智未さんは豊橋市内の中学校給食で弦斎テーマの献立が出たことなどに感謝し「弦斎がもし、ここにいたら一体どんなことを思い、私たちに何を伝えたいのか、考えたい」と述べた。
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