豊橋市八町通3の安久美神戸神明社で30日、国重要無形文化財「豊橋鬼祭」で使われる「黒鬼面」の完成を報告する神事「奉告祭」があった。2月10~11日に開かれる豊橋鬼祭で披露される。
黒鬼は11日にある最大の見せ場「赤鬼と天狗のからかい」を見守る役目を担う。なでてもらうと夏病みをしないとされ、子どもらが列を作る。
神明社は令和改元を祝し2019年から神面奉製事業を開始。豊橋出身の面師、面司如意ノ坊三世北沢美白さんの奉製で、赤鬼と鼻高(天狗)、小鬼、青鬼、天鈿女命面を順に新調した。黒鬼が最後の面となる。
現存の黒鬼面は墨文字跡などから大正時代のものとみられ、他5種の木製面と異なる紙張子製。今回は神社に残るオリジナルの古面(製造年代不詳)をより忠実に再現するため制作を1年延期して考証を重ね、奈良時代に発達した「乾漆造」で面作りに臨んだ。
奉告祭には北沢さんをはじめ、奉賛会や保存会会員、氏子関係者らが出席。北沢さんが箱に収めた新面を奉納した。
平石雅康宮司は「ようやく6面を作り終えた。これまで以上にご苦労いただいたが、素晴らしい面の完成に感謝している。鬼祭が今まで以上に盛大に、後世に受け継いでいけるよう願っている」と述べた。北沢さんは「破損箇所から断面をつぶさに観察し、導き出した工法で手掛けた。自分にとっても挑戦だった。長く地域の人に愛される道具に育ってほしい」と話した。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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