輸入家畜飼料の高騰に伴い畜産農家の経営圧迫を抑える対策として、県は17日、飼料用に栽培した県産の子実トウモロコシを豊橋市内の酪農家へ向け初出荷した。同市南大清水町の「県酪農農協豊橋支所」を経て市内の酪農家に納められた。
家畜用飼料は、草や稲わらなど牛の主食となる粗飼料と、豚や鶏も食べる穀物主体の濃厚飼料がある。国内自給率は粗飼料が80%だが、濃厚飼料は13%で大半を輸入に頼っている。
インフレと円安の進行で輸入飼料価格は高騰が続く。中でも酪農は2022年から乳価が徐々に引き上げられたが、配合飼料や粗飼料の高騰分を埋められない苦境が続いている。
さらに24年度から県の飼料購入補助が打ち切られ、生産価格を経費が上回る逆転現象も起きた。同農協豊橋支部管内の酪農家は23年度に17戸が廃業。12年前に69戸あったが今年度は約半分の35戸まで落ち込んだ。
国や県は飼料自給率の向上へ「耕畜連携」を掲げている。穀物生産者に子実トウモロコシなど飼料作物の栽培や転作を推奨し、耕作農家と家畜農家を仲介するなど課題解決に取り組んでいる。
飼料初出荷となったこの日、豊橋市内で収穫した子実トウモロコシ約6㌧が同支部倉庫へ納められた。
豊橋市城下町で乳牛90頭を飼育する青木隆明さん(45)は「何とか生産は維持しているが、設備老朽化に伴う将来負担が不安だ。輸入飼料は今後も値下がりするとは思わない。もっと飼料の生産量を増やしてほしい」と期待した。
県酪農農協の田上政治購買課長は「年々廃業数が増えている。初年度の供給量は目標の10㌧を下回った。今後はさらに耕作農家を募って供給量を増やし、価格安定にもつなげたい」とした。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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