名古屋フィルハーモニー交響楽団「夢いっぱいの特等席」 今年も9月に豊橋で

2025/07/16 00:00(公開)
「夢いっぱいの特等席」の報告に来た小林さん㊧と杉浦さん=東愛知新聞社で

 名古屋フィルハーモニー交響楽団による福祉コンサート「夢いっぱいの特等席」が豊橋市の「ライフポートとよはし」で9月25日に開かれる。観客席にいるのは障がい福祉施設の利用者や地元の特別支援学級の生徒とその保護者ら。名フィルの2人が東愛知新聞を訪れ、事業を報告した。

 

 指揮は松川智哉さんで名フィルとは初共演。東京芸術大学指揮科卒、同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程修了。2019~21年、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団指揮研究員。22~24年、セントラル愛知交響楽団アソシエイトコンダクター。各地の交響楽団と共演する注目の若手。オーケストラの指揮者として、またオペラの分野でも精力的に活動している。県立芸術大学非常勤講師。

 

 演目は、ロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲、「ラジオ体操第一」、エルガー「威風堂々」第1番。ラジオ体操は昨年から採り入れ、コンサートホールの舞台と客席が一体になって体を動かすことが大好評だったという。

 

ハンデキャップの壁を取り払うコンサートに

 

 「夢いっぱいの特等席」は1999年に始まった。名フィル営業推進部の小林俊介さんによると、「年100回以上の公演がある。でも、どれもコンサートホールに観客が静かに座って音楽を聞くスタイル。障がいのある人にも気軽に来てもらえる場をつくろう」と団員が言い出したことがきっかけだったという。豊橋市では2012年に始まった。新型コロナウイルス禍の2年間を除き、毎年開催している。今年は600人弱を招く。

 

 小林さんによると、ステージ前方席を外し、車椅子やベッドに寝ながらでも楽しめる「のびのび鑑賞席」の設置や、演奏中も照明を落とさない「明るい客席」など、障がいのある人が自然に楽しめるように工夫した。「ハンデキャップの壁を取り払うコンサート」と小林さん。演奏中の出入りも、声を出して手をたたくのも自由。

 

 また、営業推進部長の杉浦ちさとさんは「学校などでの出前演奏ではなく、フルオーケストラがコンサートホールで演奏するのも特徴」と話す。例年、客席の人たちは大喜びで帰っていくという。今年も通常とは少し変わった演奏を多くの人が楽しみにしているようだ。

昨年のコンサート=ライフポートとよはしで(撮影、中川幸作)
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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