豊橋市の空手道場「日本空手道濤誠会」の原正治さん(63)が、国際大会「世界空手マスターズ選手権」(5月25~29日、台北)の男子「形」の部の60~65歳で金メダルを獲得した。
空手を始めたのは30歳の頃。「男ですから家族を守りたい」と息子と一緒に始めた。白帯からのスタートで「20代とスピードや体力も違うし、経験者との差もあった」と苦笑する。それでも負けじと努力を続け、型の部に適性を見出すと、昨年の国内大会では3位に。「世界に挑戦しよう」と意欲が芽生えた。
今大会の60~65歳の部は、約20人がトーナメント形式で対戦。制限時間内に複数の持ち技を披露する。7人の審判が採点し、最高、最低を除く5人の合計で争われる。原さんは4試合中3試合で大差をつけて勝ち上がった。
「まさか自分が優勝するとは」と原さん。要綱が中国語で分からず、最初は間違った型を練習していた。現地で日本人に「その型じゃない」と指摘され、慌ててホテルで修正。急きょ自分の得意とする飛んだり跳ねたりする得意技などを組み入れた。「全く緊張しなかった。世界の空手家と交流するのがとにかく楽しかった」と話した。「逆に肩肘張らなかったことが良かった」と語る。
子どもたちに教える立場でもある。10年前から週3回、前田地区体育館などで指導する。「なんでできないんだ」と思うこともあるが、目線を合わせ怒らずに導く。「皆の前で褒めて、個別に注意する」。技術だけでなく、人としてのあり方も伝えている。帰国後、多くの祝福が届いた。「子どもたちに少し大きなことを残せたのかな」。そんな実感がじわじわと湧いてきたという。
これからも現役を続けるつもりだ。豊橋市内で開かれる来年のアジア大会の空手競技にも縁を感じている。「空手をこれからも選手、指導者として広めていきたい」。原さんの挑戦はまだ続いていく。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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