豊橋市出身の総合格闘家で、現在RIZINバンタム級王者の井上直樹さん(28)が東愛知新聞社を訪れ、近況を報告した。
1997年生まれ。市立汐田小学校、牟呂中学校、豊橋工業(現豊橋工科)高校出身。小学1年でけんかに負けたことをきっかけに「強くなりたい」と地元の空手道場に入門。次第にアマチュア大会に出るようになり、総合格闘技のほかキックボクシングやブラジリアン柔術などの大会にも出場した。
格闘家の姉のつながりで「DEEP」でプロデビューし10連勝後、2017年に「UFC」と契約。1戦目は勝利、2戦目前に肩をけがして手術し、復帰戦で黒星を喫した。その後、21歳で練習拠点を米国に移した。「練習相手の層も練習法も豊橋とは違いよい経験になった」と振り返る。
「CFFC」「DEEP」を経て2020年に念願の「RIZIN」に参戦。以来、RIZINを主戦場にこれまで培ってきた技術を駆使して試合に臨む。ジャブなど基本的な技を得意としており、そのスピードと正確性には定評がある。昨年9月、「RIZIN48」でのバンタム級タイトルマッチでキム・スーチョル選手に勝ち、王座を手にした。「よいパフォーマンスの状態で試合ができた。打撃で仕留めようと心がけた」と語る。
今年3月の「RIZIN50」で対戦経験のある元谷友貴選手に判定勝ちし、初防衛に成功した。「試合経験のある相手だったので初対戦とは違うプレッシャーがあった。いろいろなパターンを考え警戒して臨んだ」という。
2度目の防衛戦は7月の「超RIZIN4」で、福田龍彌選手と戦い判定勝ちした。「打撃がうまい選手だったが、自分の方がリーチがあり、自分の間合いを意識しながら戦えた」と井上さん。
礼儀正しく真面目だ。「おいしい物を食べるのが好き。勝って親や仲間が喜んでくれることがうれしい」と笑顔を見せる。今後の課題を「フィニッシュ力」とし、練習地の神奈川で、来たるべき試合に備え相手をKOする力を付ける練習に励んでいる。
「応援してくださる皆さんのおかげで今の自分がある。ベルトを守っていくことが今の使命。常に強い選手に挑戦する気持ちで何事にも挑んでいきたい。豊橋の皆さんも応援お願いします」と語った。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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