豊橋市の動物愛護センターが10月1日に開所 日曜祝日の休館予定に疑問も

2025/08/26 00:00(公開)
10月のオープンを控える「あいくる」=豊橋市中野町で

 豊橋市が整備を進めてきた動物愛護センターについて市は25日、開所は10月1日と発表した。ただ、開館は平日と土曜で、日曜祝日は休館とする予定とした。ボランティア団体は「譲渡会や地域猫活動や飼育方法などの啓発イベントに支障が出る。協力を求めながら事前に相談がなかった」と反発している。

 

 センターは同市中野町の保健所・保健センターに隣接し、鉄筋コンクリート造平屋建ての997平方㍍。家庭の居室をイメージした「猫モデルルーム」があり、猫の行動観察や適正飼養などを指導でき、譲渡後の暮らしをイメージしやすくする。また多目的ホール、犬猫の譲渡室、手術室などがある。

 

 一方で、日曜と祝日が休館となることがこの日の記者会見で発表された。。県内には政令指定都市の名古屋市と、岡崎市、豊田市に動物愛護センターがある。いずれも休館は月曜(月曜が祝日の場合は翌日以降の平日)としている。岡崎市では今月3日と10日の日曜に犬の「しつけ相談」「事前準備」の講習会が開かれていた。豊田市は毎週日曜に猫の譲渡会を開いている。

 

 日曜祝日を休館とした理由について、担当者は①平日の行政事務があり、月曜休みにはできない②狂犬病予防法に基づく諸手続きなどが平日しかできない③保護している犬猫は来館者に見てもらうことがあるが休養日が必要④職員の働き方改革⑤土曜を開館する―などを理由に挙げた。

 

 記者が「ボランティア団体が日曜休館に反発しているが、変更することはないか」と質問したが「変更しない」と答えた。

 

 元大府市職員で地域猫アドバイザーとして活動する久野幸裕さんは「動物愛護センターとしての機能と、市民のことを考えれば日曜の稼働は必要だと思う。これから動物に関して市民からさまざまな相談などもあると思われ、日曜休館は市民サービスとして疑問が残る」とコメントした。愛知地域猫実行委員会の植木祐子委員長は「豊橋市はどこを見て仕事をしているのか」との意見を寄せた。

 

    ◇

 市は動物愛護センターの愛称を「あいくる」に決めたと発表した。4~5月に公募、744点が寄せられた。審査の結果、市内の近藤由喜男さんの考案した「あいくる」が選ばれた。「愛くるしい瞳の犬と猫」「みんなが犬と猫に『会いに来る』」「犬と猫に『愛が来る』施設に」との願いを込めた。

 

 また猫モデルルームのネーミングライツパートナーは市内の「中央製乳」に決まった。部屋は「中央製乳キャットルームMilk」となる。市は10月1日から5年間、ホームページや印刷物で使用する。同社はセンターの啓発イベントなどにノベルティグッズを提供する。

猫モデルルームのイメージ(提供)
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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