田原市の白谷海浜公園などで8月31日、県と市が共催する初の総合防災訓練があった。能登半島地震を機に新たな課題となった「半島防災」を意識し、孤立地域での災害対策について関係機関の連携を再確認。発災初期の自助や共助への意識向上を呼び掛けた。
県市や総務省消防庁などの関連機関、地域の自主防災組織など90機関から計約2000人が参加した。
市内で震度7の揺れを観測、沿岸部に大津波警報が出されたという想定で訓練した。公園のメイン会場のほか、市立伊良湖小学校跡と童浦小学校をサテライト会場とした津波避難や避難所運営の訓練もあった。
緊急時の物資輸送ではJA愛知みなみや県トラック協会が連携し、市東部のJA拠点倉庫を経て各避難施設へ水や食料などを届けるための手順を確かめた。
大津波を警戒した訓練では、伊良湖小学校跡から要救助者3人をリコプターでメイン会場へ運び、待機した救急車で医療機関へ搬送。救出訓練では、重機やチェーンソーなどを使って倒壊家屋に閉じ込められた被災者を助け出した。田原中学校の生徒らも初期消火の要員として初動の大切さを学んだ。
能登半島地震では主要道路網が断たれ、その後の復旧が遅れるなど影響した。似た地形の渥美半島でも、教訓として地震や津波による孤立化に備える半島防災への意識向上が挙げられる。
大村秀章知事は、7月に発生したカムチャツカ沖地震に伴う津波警報を引き合いに「避難場所や経路、備蓄体制など、これまで以上に備えが不可欠となる」などと防災意識の向上を呼び掛けた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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