豊橋市議会9月定例会は26日の最終日、豊橋球場跡で再開する発掘調査費約5400万円を盛り込んだ追加の一般会計補正予算案を可決した。7月の住民投票で事業再開が決まった「多目的屋内施設(新アリーナ)と公園東側エリア整備運営事業」に関連し、球場は解体して新アリーナ建設用地となる。
球場跡での発掘事業は昨年4月、グラウンド付近で約半年間の予定で始まった。昨年11月の市長選で新アリーナ関連事業の契約解除を掲げた長坂尚登市長が当選。スタンド部分など新たな発掘調査が始まろうとしていたが、同月下旬に球場解体工事も休止された。
文化財センターによると、この間も発掘調査は出土品と遺構の分析・評価など二次的作業が続いている。今年2月に発掘成果を示す一般向け現地説明会があり、県内外の歴史愛好家やアリーナ事業に関心を持つ大勢の人が参加した。発掘事業は総事業費4億2700万円、期間を2027年度までとする債務負担行為が21年度に設定してある。
小林憲生氏(自民)の質疑では、グラウンド付近に続くスタンド周辺の現地発掘作業のスケジュールをただした。中断は今年2月以降に決まったとの情報を踏まえ、関連する新アリーナ事業への影響を尋ねた。
石川和志教育部長はグラウンド付近の発掘調査後、二次的整理作業や報告などが継続していると答えた。さらに「10月に現地調査を再開した。アリーナ事業の進み具合に合わせ、調査箇所の周囲を拡張する形で進めたい。現地発掘調査は26年度中の完了予定で、アリーナ事業への影響はない」との見通しを示した。
今回の予算にはスタンド解体費が盛り込まれていない。小林氏は「このままでは設定した事業期間を超えると思う。その際は工事の一時休止に伴う影響も注視すべきではないか」と指摘した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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