豊川市の東海理化硬式野球部が「第50回社会人野球日本選手権大会」(28日開幕、京セラドーム大阪)に挑む。4大会ぶり5回目。初日に鷺宮製作所(東京)と対戦する。今夏の都市対抗野球は予選敗退したが、武藤健司主将(27)は「あの敗戦があったからこそ今のチームがある。目標は全国優勝」と意気込んだ。
都市対抗地区予選は3年連続の本大会出場を逃した。山根直輝監督(44)は「チームに甘さがあった」と振り返る。武藤主将は「失望感がすごかった」と話し、リードオフマンの福本綺羅選手(21)は「自分が打てなかったから負けた」と声を落とした。
その敗戦がチームを変えた。直後に選手全員でミーティングを開き、改善点や、やりたいことを出し合った。「詰めの甘さを見直す必要があった」と武藤主将。その中で出た案の一つが、地区予選で負けた「西濃運輸戦のスコアをグラウンドに掲げる」ことだった。今も「10対7」と記されたスコアボードが張られている。悔しさを風化させないため、あえて毎日目に付くようにした。
練習の雰囲気も一変した。スローガンは「1」。1球目、1プレーに集中し、一つの油断も許さず、練習中には互いに指摘し合う。武藤主将が本大会に補強選手として他チームに帯同していた期間、「日替わり主将制」を導入。1週間ぶりに戻ると「全員が主将のような振る舞いで、若手でも意見が自然と出るようになった」と満足げに語った。
再出発となった日本選手権東海地区2次予選で、活躍したのが1年目で豊橋商業高出身の北添兼矢投手(19)だ。三菱自動車岡崎との第2戦で先発を任されると、7回131球無失点。「堂々と打者に向かっていた。春先から努力してきた姿を見て、使ってみようと思った」と山根監督。北添投手の快投がチームの勢いを呼び込み、準決勝では日本製鉄東海REXに8対2で快勝。決勝の東邦ガス戦では延長十回タイブレークを6対4で制した。武藤主将も「高卒1年目とは思えない。抑えて当然と思えるほど準備してきた」と信頼を寄せる。
「出塁率向上をテーマにチームづくりをしてきた。全国で『東海理化』を知ってもらうチャンス。日本一をとりたい」と山根監督。武藤主将は「この悔しさを知らない選手はいない。好機での打撃がキーになる。点に絡む活躍をしたい」と語った。福本選手は「自分が打って走ってチームを勝たせたい」と活躍を誓った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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