NIKKEI Tech Foresight編集長が語る「先端技術の2026年」 AI・量子・宇宙の最前線とは

2026/01/15 22:00(公開)
講演する久米さん
講演する久米さん

 若手経営者らの勉強会「吉田塾」(塾長・山本明彦元副金融担当相)は、このほど豊橋市西松山町の山本事務所で第180回例会を開催した。講師には豊橋市出身で「NIKKEI Tech Foresight」編集長の久米秀尚さん。「AI・半導体・量子、先端技術の2026年展望」をテーマに、技術の融合や経済安全保障を巡る最前線について語った。

 

 久米さんは、県立時習館高校から名古屋大学工学部、東京大学大学院を経て2009年に日経BPに入社。次世代自動車や半導体分野の取材を重ね、昨年5月から編集長を務めている。

 

 講演で久米さんは、今年は、量子とAIや半導体と宇宙のように技術同士がつながり、境界線がなくなっていく傾向が強くなると指摘する一方、半導体のように米中対立でその境界が鮮明になる領域もあると解説した。日本政府が経済安全保障上の「国家戦略技術」として、半導体、通信や宇宙、核融合など6分野を重点支援する方針であると述べた。 

 

 ロボットや機械を自律制御する技術「フィジカルAI」が注目されているという。「生成AI」がデジタル空間で完結するのに対し、ヒト型ロボットや自動運転のような現実世界のAIを指す。製造業や物流、医療などさまざまな分野での応用が期待されている。今年は「フィジカルAI元年」といわれ、数兆㌦規模の市場になると予測されている。米半導体大手「エヌビディア」、日立製作所、三菱電機などが中心となり、工場での展開が加速するとみられている。物流向けヒト型ロボットの量産、米電気自動車大手の「テスラ」などによる「レベル4」自動運転やロボタクシーの普及が、従来の産業構造を覆す可能性に言及した。

 

 地政学的リスクにさらされる半導体産業では、エヌビディアが中心だったが、米国による規制強化に直面する中国勢は、通信機器大手のファーウェイを中心に内製化の動きを加速させている。独自AI半導体の開発を強化し、今後も存在感が高まりそうだという。日本では安全保障や波及効果などの観点からラピダス(北海道)やJASM(熊本)などが国内生産に基軸を置いている。

 

 量子コンピューターは今年が実用化に向けた「基礎固めの年」になるとした。日本では富士通などによる「純国産」機の開発が進むなか、マツダの設計計算短縮やロームの試験効率化など、製造業での具体的成果を紹介した。

 

 また宇宙産業でも、政府が1兆円規模の「宇宙戦略基金」を投じるなか、大手からスタートアップまでが参入し、米「スペースX」一強の打破を目指す「勝負の5年」が始まっていると分析した。

 

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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