豊橋市立花田小学校4年生の北河世良士(せらし)さんが、自身の闘病経験から、約3年半かけて伸ばし続けた髪を寄贈する「ヘアドネーション」をする。難病の治療過程で髪を失った経験を持つ。今度は自分が、髪の悩みを抱える子どもたちの笑顔を取り戻す支えになりたいという願いを込める。
「原発性免疫不全症」の一種である「ウィスコット・アルドリッチ症候群」という非常にまれな病を抱えている。治療法が確立される前は予後が非常に厳しい病だったが、医療の進歩により移植手術が選択肢となった。家族の中に適合するドナーが見つからなかったものの、1歳3カ月の時、第三者から提供された臍帯血(さいたいけつ)による移植手術を受け、一命を取り留めた。
この移植前の「前処置」として投与された強い薬の副作用により、髪はすべて抜け落ちた。母の芹奈さんは「枕に落ちた髪を握り、不安そうな表情を浮かべていた幼い息子の姿が今も目に焼き付いている」と振り返る。
移植を経て元気に成長した北河さんが髪を伸ばし始めたのは、小学1年生の終わり頃。趣味のスケートボードのファッションとしておしゃれを楽しんでいたが、母からヘアドネーションがあることを教えられた。「自分と同じように病気で髪がない子に作ってあげたい」と、寄贈に必要とされる31㌢以上の長さを目標にした。
長く伸びた髪により、学校では「女の子みたい」とからかわれることや、銭湯で女湯に入るよう声を掛けられることもあった。しかし「自分が伸ばしたくて伸ばしている」と周囲の声を気にすることなく、強い意志で目標を追い続けた。学校側の理解もあり、担任がクラスメートにヘアドネーションを説明するなどの支援もあったという。
この夏、目標の長さに達し、野球を始めることもあって髪を切った世良士さん。寄贈先は大阪のNPO法人「ジャパンヘアドネーション&チャリティ(JHD&C、ジャーダック)」を予定している。北河さんは「髪がないことで恥ずかしい、嫌だと思っている子が、ウィッグをつけてうれしい気持ちになってくれたらいいな」と語る。プロ野球選手になることが将来の夢という。
芹奈さんは「世の中にはこんな病気があって、さまざまな事情で髪がない子がいること、ヘアドネーションのことを知ってほしい。ウィッグが必要ないほど、違いを受け入れられる優しい世界であってほしい」と訴えた。
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1988年生まれ。三重県津市出身。
地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。
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