「とよはしワイナリー・チロル」で初のワイン仕込み 豊橋市の特区認定で10年越し ブドウ・次郎柿でご当地ワイン

2026/08/11 00:00(公開)
仕込み用ぶどうを押しつぶす参加者=豊橋市の「とよはしワイナリー・チロル」で
仕込み用ぶどうを押しつぶす参加者=豊橋市の「とよはしワイナリー・チロル」で

 特産のブドウや次郎柿を原料としたワイン(果実酒)づくりへ向け、豊橋市石巻西川町の「とよはしワイナリー・チロル」で8日夜、来年1月発売予定の白ワインの仕込みが始まった。国の国家戦略特区制度で市が「豊橋ワイン特区」に認定されたのに伴い、構想から10年越しで醸造開始にこぎつけた。

 

 果樹園を経営する「チロル」が昨年11月、自宅兼用の敷地に醸造施設を完成させ、今年6月に豊橋税務署から酒類製造免許を受けた。

 

 初醸造では白ワインに適した「巨峰」約280㌔を収穫。茎や軸を取り除いた実を手作業で押し潰し、圧搾機で果汁にして醸造タンクへ移し替えた。酵母添加とアルコール発酵などを経て年内の瓶詰め、来年1月の発売を目指す。

 

 この日は市の公開講座で見学に訪れた市民ら20人も、ブドウのプレスや圧搾機投入の工程を体験した。初回は720㍉㍑入りボトルで約220本分を製造。東三河の酒販店や飲食店の店頭に並ぶ予定だ。9月から赤や白用のブドウのほか、次郎柿も順次仕込む。

 

 仕込みを体験した女性(77)は「ブドウの圧搾に腕力が必要と分かって驚いた」と話した。ワイナリー代表の岩瀬宏二さん(50)は「構想から10年越しで初の仕込みを迎えられた。商品ごとに物語を織り交ぜ、豊橋らしさにあふれるワインで新境地を広げたい」と意気込んだ。

 

 市は昨年6月に国家戦略特区に認定された。特区では酒類製造免許取得の醸造量要件を2㌔㍑以上に緩和。近隣の東名高速道路「豊橋新城スマートインターチェンジ」開通も見据え、ご当地ワインのブランド化を進めたい考えだ。

ぶどう果汁を圧搾する岩瀬さん㊨
ぶどう果汁を圧搾する岩瀬さん㊨
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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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