「第108回全国高校野球選手権」で、県代表の享栄は大会第7日の11日、第3試合で履正社(大阪)と対戦する。2009年に中京大中京を率いて全国制覇した大藤敏行監督は、翌10年の出場以来、16年ぶりの甲子園となる。教え子の一人で豊橋中央の萩本将光監督もエールを送る。
萩本監督は00年夏の甲子園に5番一塁で先発出場し、3回戦で智弁和歌山に6対7で敗退。「あと1点が遠かった」と語る。
出会いは高校入学時。練習からミスも許されない雰囲気の中「こんな怖い人がいるのかと思った」と振り返る。「寄るな名電、触るな享栄、中京見たら110番」と言われた時代。「人間的な部分やプレーなど叱られ続けていた。厳しかったが愛情を感じていたし、今も頭が上がらない」と笑う。未熟さを律するため「野球を辞めたらただのチンピラだぞ」と叱咤されたことも「自分を見てくれていた証拠」と感謝する。1~2年時は代打だったが、3年時からはレギュラーをつかんで副主将として甲子園でも活躍。「任せてもらえたのが一番うれしかった。少しは恩返しができていたかな」と語る。
大藤監督は人間形成を重んじる。萩本監督は「指導者を目指すきっかけの一つになったのは大藤先生との出会いがあったから。今も先生の教えは自分の指導の軸」と話す。大藤監督から「食え」と妻の手作り弁当を差し入れされたこともあった。「その時に受けた思いは絶対に忘れちゃいけない。生徒たちにも『形に残らない恩こそ大切にしろ』と伝えている」という。
昨夏に甲子園へ出場した際は、大藤監督から「やったな、ようやったな」とねぎらいの言葉を受けた。今夏、享栄が愛知大会を制すると、LINEで祝福のメッセージを送った。大藤監督からは「君に続いてね」と返信があったという。「大藤先生は応援するが、享栄そのものを応援するわけではない」と笑いつつ「先生らしい野球で甲子園を楽しんでいただきたい」と話す。
豊橋中央は今夏は初戦敗退を喫した。「最初から野球がうまい子ばかりではない。愛知の4強を倒し、一番になる気持ちがあるかないか」と力説する。目標は昨夏逃した甲子園1勝。「来夏の決勝は大藤先生と戦って勝ちたい。秋は中立大翔以外は競争。一人ひとりが自分がやるんだという思いでプレーして、頼られる人になってほしい」と話した。
購読残数: / 本
1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
週間ランキング
日付で探す