創業140年を迎える老舗うどん、そば店「東京庵」豊川店の山口文昭店長(58)が制作したジオラマ作品「100年前のおそばやさん」が、「第15回浜松ジオラマグランプリ」(8月20~23日、浜松市中央区)でグランプリに輝いた。店に残されていた約100年前の本店の写真をもとに、繊細に立体化した力作だ。
会場には全国から一次審査を突破したハイレベルな作品が集結。審査員と来場者による投票でグランプリをはじめとする各賞が決定され、計481票が集まった。
山口店長の制作期間は1年以上。本店の外観を再現しつつ、記録が残っていない内部の意匠や店内の様子は想像を膨らませて制作しており、中の様子がのぞける趣向になっている。
素材へのこだわりも際立つ。主流の3Dプリンターには頼らず、そばを保存する古い木箱「生舟」をリサイズしてベースにするなど、不用品や廃材をアイデア巧みに利活用した。外壁の鎧(よろい)張りと呼ばれる下見板には「そのへんに転がっていた廃材を削って薄くし、貼り合わせた」と話す。
最も工夫したのが屋根の再現だ。「厚さ1㍉の紙を1枚ずつ切り出し、手作業で貼り合わせた。古いとたんが波打っていたり傾いていたりするように1枚ごとの瓦の表情の違いを表現したかった」。実物に近づけるため漆喰(しっくい)やコケ、はがれた下地などリアルな質感を再現した。
山口店長がジオラマ制作を始めたのは新型コロナウイルス禍がきっかけだ。「家でやれるような趣味がないか」と、高校時代以来40年以上ぶりに挑戦を決意した。
店の元気印として麺づくりのかたわら夜や休日に制作を続ける。「年末に行われる西光寺の酉(とり)の市の大熊手を再現したい」と制作意欲は尽きない。浜松市中央区鍛冶町15の「ザザシティ浜松 西館1F」の「浜松ジオラマファクトリー」で展示されている。水曜定休。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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