名古屋市のIT企業「アズウェル」 自治体システムの標準化で豊橋市の支援経験を武器に活躍

2026/09/08 00:00(公開)
アズウェルの会社ロゴ
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 国が定めた2026年3月の「自治体システム標準化」の移行期限から半年が経過した。しかし、全国自治体の約5割が期限内の移行に間に合わず、9月現在もなお、現場は通常業務と並行したシステム移行作業や新旧運用の調整という二重の負担にあえいでいる。名古屋市のIT企業「アズウェル」は、長年にわたり豊橋市のシステム支援に深く携わり、そこで培った独自の「豊橋モデル」を武器に、大手の手が届かない「隙間」を埋める伴走型の支援を展開している。

システム標準化のイメージ(提供)
システム標準化のイメージ(提供)

 自治体システムの標準化とは、これまで全国の自治体が個別に構築、運用してきた住民票、税、子育て、福祉などの主要業務システムを、国主導で策定された共通の仕様に統一する改革。異動時の引き継ぎや操作を容易にしたり、特定ベンダーへの依存解消によるコスト削減や、災害時の素早い情報共有や自治体間でのスムーズな相互サポートなどの効果が見込まれる。

 

 一方、各自治体が実施してきた独自の住民サービスが失われかねない懸念や、業務の複雑化などの課題もある。移行を担うITベンダー側にとっても、標準外の個別調整は採算が取りにくいため、対応を引き受ける事業者が不足し、現場が孤立する事態を招いている。

 

 アズウェルは、これまでに全国70以上の自治体で1100件以上の公共案件に携わってきた。その事業基盤の礎となったのが豊橋市における医療費助成業務全般と、国が求めるPMH(マイナンバーを活用した情報連携)との連携システム構築だ。大手ベンダーでは費用感が合わない、あるいは対応が困難とされる、こうした隙間業務や標準外の仕組みづくりに参加し、システムの安定稼働を支援している。このシステム構築実績が現在の「愛知県版パッケージ」のベースとなっており、東三河での取り組みが全国への拡大の先駆的モデルとなっている。

鷹羽社長
鷹羽社長

 鷹羽浩介社長は大府市生まれ。25年以上にわたり自治体ITの現場に携わってきた。「全国で使われるシステムをもっと広げたい」との思いで、2012年に同僚と共に独立・起業した。

 

 単に仕様書通りに機能を作る「冷たいシステム」を提供するのではなく、現場の職員に寄り添う「あたたかい伴走」を掲げる。「生まれてから亡くなるまでの市民の当たり前の生活を、一日たりとも止めない」という思いを、災害時であってもデータを即時に復旧できる強靭な環境整備や、誰でも直感的に使える優しいインターフェースの追求へとつなげている。

 

 今後もアズウェルは自治体からの直接受託の割合を増やし、大手ベンダーが除外していた依頼もカバーしていくという。こうした取り組みがIT業界で一般化することで、各地域のIT企業が地元自治体から依頼を直接受注できるようになれば、地方の活性化にもつながる。「地方が元気にならないと、日本全体も元気にならない。あたたかい伴走を通じて、安心、安全、信頼を大切にしながら、地域の皆さまがこれからも安心して暮らせる社会づくりに貢献していきたい」と意気込む。

 

 デジタル化やマイナンバー制度を巡っては、一部に不信感や苦手意識も存在する。鷹羽社長は「知らないからと批判、敬遠するだけで終わらせず、市民の側からも『ちょっと知りに行く、興味を持ってみる』という姿勢が、日本のデジタル社会を次のステージへ引き上げるために不可欠だ」と語った。

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岸侑輝

 1988年生まれ。三重県津市出身。
 地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
 趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
 好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。

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