企業の課題解決へ試行錯誤 豊橋技科大「ものすた」で学生ら現場視察 イノチオでは収穫の効率化模索

2026/10/22 03:00(公開)
大門社長㊨から説明を受ける学生ら=イノチオファーム豊橋で
大門社長㊨から説明を受ける学生ら=イノチオファーム豊橋で

 豊橋技術科学大学が10月に開講した「産学共修ものづくり研究」(ものすた)で、受講学生らのグループが生産現場を訪ねて現状を視察した。地元のものづくり企業の課題解決を通じて高度専門人材の育成を目指す。ミニトマトなどを生産する「イノチオファーム豊橋」(豊橋市新西浜1)でも2グループが収穫の効率化に取り組む。

収穫しながら作業環境を調べる学生
収穫しながら作業環境を調べる学生

 半年間の講座では、地元のものづくり企業が提案する社会課題に学年や専攻分野を横断したチームで挑む。幅広い分野の知見を融合し、技術者や研究者をつなぐ研究プロジェクトの進め方などが学べる。博士後期課程1年と学部2年の110人が東三河のメーカーや住宅など7社で課題に取り組む。成果のできばえよりも探究過程で得た学びを重視するという。

 

 イノチオファームを訪ねた学生らは、施設で生産を手掛ける「イノチオみらい」の大門弘明社長から生産現場の現状と課題を学んだ。

 

 施設は広さ約3・6㌶で、ミニトマトの収穫量では国内最大規模を誇る。栽培区画を2~3カ月ごとに変えながら収穫を続け、摘み取りや選別を経て出荷先へ2日以内に届ける。市場流通で1週間かかるところを短縮し、鮮度の高さを売り物にしている。

 

作業負担軽減など知恵巡らす  半年後に改善案も提示

 

 企業側が提案した課題は収穫の効率化だ。収穫作業を担うパート従業員は約40人。同社によると1人当たりの収穫量は1時間に約60㌔で、これ以上の向上は見込めないという。作業時間は年間3万時間に上り、作業の30~40%を占める。一方、物価高が進む中でも野菜価格は横ばいだ。収穫時間を縮減できれば作業効率向上も見込める。

 

 ミニトマトは冬場になると成人男性の腰より下に実が付く。収穫する従業員から、低位置での作業が続けば腰への負担が大きいなどの声も聞かれるという。

 

 学生グループのリーダーで博士後期1年の鈴木隆之さん(機械工学専攻)は「祖父母が農家をしており親近感があったのでこの会社を選んだ。手摘みで収穫していると聞いて意外だった。スピードアップより、作業負担軽減などに的を絞ってみたい」と語った。

 

 大門社長は「自ら考えて解決策を探るプロジェクト型学習の趣旨に賛同した。どんなアイデアを示すか楽しみだ」と期待を寄せた。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。

加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

最新記事

日付で探す