豊橋「ささゆりの里」 イノシシ被害に苦しむ

2017/03/02 00:00(公開)
被害にあった斜面と田中さん=豊橋市伊古部町のささゆりの里で
 6月上旬に3000株以上のササユリの花が咲き、県内外から約1万人が訪れる、豊橋市伊古部町の「ささゆりの里」が、イノシシ被害に苦しんでいる。一昨年5月と昨年9月に球根が食べられる被害があり、この状況が続けば、「花が少なくなり、最悪の場合、ささゆりの里が消滅する」と心配の声が出ている。
 一昨年5月の被害は少なかったが、昨年9月は大きかった。最も花が咲く斜面が軒並み荒らされ、土の中の球根が食べられた。伊古部町笹百合保存会会長の田中房一さんは「そこらじゅうの土が掘り返されて、ひどい状況でした」と被害の様子を振り返る。
 保存会では対策として、スズメなどを追い払うために使う爆音機を設置し、夜間に音を出してイノシシが近づかないようにしているほか、イノシシが嫌いなニオイのする石灰窒素をまく、捕獲用のワナを仕掛けるなどを行った。将来はフェンスを張ることも検討している。
 また今年の花を咲かせるため、急きょ、球根を植える数を増やして対応。今後、イノシシの被害がなければ、例年通り、多くの美しい花が咲くという。
 田中さんによると、伊古部町で農作物へのイノシシの被害が出始めたのは5年ほど前からだといい、生息数も徐々に増えているとみられる。
 田中さんは「イノシシの被害が続けば、ささゆりの里が消滅する可能性もある。地域の住民が復活させ、多くの人たちが訪れるようになった里を何としても守っていきたい」と話す。
 ささゆりの里は、かつて伊古部町に自生していたササユリを復活させようと、地域住民が保存会を1996年に設立して整備をしている。今では豊橋の花の見所スポットになっている。
(竹下貴信)
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