子どもの安全と門出を見守ってきた豊橋市大岩町のサクラ伐採。芽吹い枝を住民に配布

2017/03/27 00:01(公開)
長年親しんだサクラの木をバックに記念写真を撮る集まった住民ら=豊橋市大岩町で
 豊橋市大岩町の旧東海道沿いにあるサクラの木が、信号機設置に伴い伐採されることになった。長年、住民らに春を告げ、「旧道」を横断する子どもらを見守ってきたサクラに恩返しをしようと、住民団体「大岩中まちづくり会」(横田健会長)が26日、芽吹いた枝を住民に配布した。
 サクラは、豊橋署二川交番や、市消防団二川分団消防器具庫のある一角にソメイヨシノ5本が植えられている。1本は戦前からで、樹齢70年以上とみられる。
 旧道は通学、通勤時間帯の朝、車の交通量が多く、地元住民がボランティアで子どもらの横断をサポート、安全を確保しているが、10年ほど前から要望していた信号機が設けられることになり、サクラの木が伐採される。
 春には満開の花を咲かせ、子どもたちの安全だけでなく、門出も見守ってきたサクラの木。この日、木の下に集まった住民らを前に、まちづくり会の横田会長は「長年愛されたサクラの木。命を宿した芽吹いた枝が皆さんの自宅で花開き、記憶として伝承していってもらえれば」と呼び掛けた。
 樹齢70年以上とされるサクラの木を祖父が植えた安形秀敏さん(56)に、最初の枝が手渡され、木をバックに全員で記念写真を撮った。
 安形さんは「子どもの頃は遊び場だったサクラの木の下。春がきたことを一番最初に教えてくれた。寂しいですが、子どもの安全が優先」と話した。開花を前に“引退する”サクラに、住民の中には「最後の花を見たかった」と惜しむ声もあった。
(中村晋也)
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