オール蒲郡で衛星を製作

2017/05/31 00:01(公開)
西尾教授㊧の説明を受ける鉄工業者ら=愛知工科大学で
 10㌢立方の超小型衛星の開発に取り組む私立愛知工科大学(蒲郡市西迫町)のプロジェクトに、地元鉄工業者が部品製造に参画することになった。29日夜には7社の代表者が大学を訪れ、役割分担を行ったほか、7月上旬までに試作モデルをつくっていくことを確認した。
 衛星は同大学工学部電子制御・ロボット工学科の西尾正則教授のグループの取り組み。LED電球、魚眼カメラ、太陽電池を搭載させ、LEDを発光させて「目で見る人工の星」とさせるほか、地球で映像受信して宇宙映像を見られるようにするプロジェクトを行っている。
 設計などは学生たちで行っていくが、「オール蒲郡で行いたい」として市内の鉄工業者に製作協力を依頼し、7社が意欲を示した。
 29日夜には大学に関係者が集まり、今後の方針を確認。業者側で過去に宇宙関連事業に取り組んだ経験がある蒲郡製作所の伊藤智啓社長が代表に就いた。
 光学部品製造細井鉄工所の山内茂工場長は「宇宙関連にはロマンがある」、自動車部品製造の加藤カム技研の加藤誠紀社長は「宇宙関連に興味がある社員もおり、好機ととらえて挑戦したい」とそれぞれ話した。
 伊藤社長は「鉄工業界個々の会社が元気なる道を探らなければならない中、こうして一つの物を分担して行う挑戦も必要と思う。みんなでつくって盛り上げて業界の活性化につながれば」と期待を込める。
 試作品の完成後には耐久性試験を行い、年内までにフライトモデルを完成させる。そして2018年度中に打ち上げられるH-ⅡAロケットで相乗りされる。
 西尾教授は「オール蒲郡で製作した人工衛星が見られるようにしていきたい」と張り切っている。
(安藤聡)
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