新城の「源氏和牛」 共進会で優等賞

2017/09/30 00:01(公開)
酒かす入りのえさをもらう源氏和牛=新城市愛郷で
 牛のオリンピックと呼ばれる「第11回全国和牛能力共進会 宮城大会」(全国和牛登録協会主催)で、関谷醸造(設楽町)の銘酒「蓬莱泉」の酒かすを与えて育てた鳳来牛「源氏和牛」が県代表に選ばれ、肉質を競う「肉牛の部」で優等賞20席(20位)に輝いた。受賞を記念し、豊橋市駅前大通1のココラアベニューの「豊市」では、源氏和牛のすき焼き弁当(土曜限定・1296円税込)とカレー弁当(常時・800円同)を販売している。
 源氏和牛は、新城市愛郷の和牛農家「源氏肥育組合」が育てたA4ランク以上の黒毛和牛で、豊橋市東小田原町の鳥市精肉店がオリジナルブランドとして命名した。
 久保田和男さん(60)が山間部の牛舎で約300頭を飼育し、3年ほど前から、生後約10カ月の牛に「蓬莱泉」の酒かすを5%ほど混ぜた飼料を与えている。
 大会は5年に1度開催。今回は9月7~11日、宮城県仙台市で行われた。源氏和牛は、183頭が出場した肉牛の部の中で最も出品頭数が多い第9区(24カ月未満の去勢済み雄牛)に出品。枝肉の状態で脂肪の入り具合などの肉質が審査された。
 県の食品工業技術センター(名古屋市)で分析したところ、酒かすを与えた牛は肉の柔らかさが増す傾向にあり、口どけの良さが期待できることが分かった。
 実際、源氏和牛を扱うホテルトヨタキャッスル(豊田市)鉄板焼煖の三島尚道料理長も「融点が低く、後味があっさりしている。牛タンにもしっかり味がある」と評価。ホテルアークリッシュ豊橋(豊橋市)の今里武総料理長も「赤身のうまみが強く、煮込んでも肉の味をしっかり感じる」と話す。
 久保田さんは、同大会で過去2回優等賞を獲得し「和牛の名人」と呼ばれる。「牛で観光客や雇用を生み、新城に人を呼びたい」と地域活性化を目標に牛の飼育をしており、受賞について「優等賞に入ってよかった。鳳来牛のPRにつながれば」と期待を込めて話す。  
 一方で、源氏和牛の出荷は月5~6頭で、ほとんどが県内の高級レストランなどに卸すため、消費者の知名度は今ひとつ。広く知ってもらおうと、今里総料理長が弁当を地元飲食店と共同開発して「豊市」で初めて提供している。鳥市精肉店営業担当の柴田博隆さん(35)は「全国的には愛知県の牛肉の知名度はまだまだ。地域の皆さんに食べてもらい、盛り上げてほしい」と呼び掛けている。
(飯塚雪) 
源氏和牛の弁当を手にする今里料理長㊧と柴田さん=豊橋市駅前大通1のココラアベニューの「豊市」で
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

虹の森 藤城建設 さわらび会 光生会 住まいLOVE不動産 蒲郡信用金庫 パーソナルカラー診断の名古屋・愛知
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 全国郷土紙連合 穂の国