豊川市が「看取り」テーマの写真展

2017/11/23 00:01(公開)
看取りに関する写真展を開いている國森さん=豊川市文化会館で
 豊川市は22日、市文化会館の展示室で、人生の最期を迎える高齢者への「看取り」をテーマにした写真展を始めた。12月1日まで。
 滋賀県大津市の写真家・ジャーナリストの國森康弘さん(43)の写真約60点を展示。滋賀県東近江市の永源寺地区で、さまざまな角度から高齢者を看取る家族の表情などをとらえた作品が、来館者の胸を打つ。息を引き取った祖母の顔をそっと手でなでる少女など、撮影時の状況や國森さんの感想も付け加えられている。
 世界の紛争地域や震災の被災地を取材してきた國森さんは、2012年から3年ほどかけて数々の看取りの現場に赴き、価値観が変わった。「死は単に人生の終わりではなく、その人が生きてきた物語があり、その生命力を他の人が受け継いで生きていく『命のバトンリレー』と分かった」。少女が言った「祖母は二度と生き返らないけど、私の中に生きている」という言葉を紹介し「命の有限性と継承性を大事にできる地域になれるように貢献したい」と話した。
 また、豊川市内にある10法人が運営する老人介護事業所の利用者の作品も展示。体の機能訓練や認知症対策で作られた絵画や貼り絵、書道や習字などが並ぶ。
 この日は同館で約400人の市民を前に、國森さんが看取りの現場を振り返る講演も行われた。
(由本裕貴)
老人介護施設の利用者による冬をテーマにした作品も並ぶ=同
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