豊川で蓮池さん 拉致問題の早期解決を訴え

2018/03/11 00:00(公開)
残された拉致被害者の早期帰国を訴える蓮池さん=豊川市勤労福祉会館で
 北朝鮮による拉致問題の早期解決を訴える市民団体・ブルーリボン豊川(八木月子代表)は10日、豊川市勤労福祉会館で、拉致被害者の蓮池薫さん(60)を招いた講演会を開いた。会場には超満員の約450人の市民が駆け付けた。
 学生時代のころ、新潟県の海岸から北朝鮮の工作員によって拉致され、実に24年間を北朝鮮で過ごした蓮池さん。2002年に帰国を果たすまで、北朝鮮による思想教育や、秘密警察に監視された生活ぶりなどを詳しく明かした。
 拉致直後の心境については「死にたいと思ったことはなかったわけではないが、死んでたまるかという気持ちの方が強かった」と話し、心配する日本の家族に連絡を取ろうとしたことも紹介。同じ拉致被害者で、まだ帰国していない横田めぐみさんや増元るみ子さんらと一緒に生活したことを挙げて「(死亡したとする)北朝鮮の発表はでっち上げばかり。正確な物的証拠が出てこない限り、信じてはいけない」と訴えた。
 そして、米国トランプ大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が5月末までに会談するという展望については「いいチャンスが来ていると思う。日本政府はこれに合わせて拉致問題の交渉に入るべき。解決できなかったらびた一文の見返りはないぐらいの条件を突きつけて、最終的に談判してほしい」と求め、高齢化する被害者家族の存在も挙げて「残された時間は少ない」と訴えた。
(由本裕貴)
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