「人生最後にやりたいこと」

2018/04/20 00:00(公開)
小田さんが撮影した作品を紹介する父孝さん=蒲郡市内で
父親が遺志を受け継ぐぎ29歳で亡くなった小田さんの写真展

 今年2月に29歳の若さで亡くなった小学校教諭の小田太郎さん=蒲郡市=の遺志を受け継いだ「たろう写真展」が、同市竹谷町で開かれている。父の孝さんが“終活”をしていた長男のメモ書きを見つけ、人生の最期を過ごした部屋を会場とし、バングラデシュや東日本大震災被災地の宮城県石巻市で行ったボランティア活動記録となる写真などを展示している。
 小田さんは今年2月3日に末期がんのために亡くなった。がんと分かったのは昨年3月で進行性だった。小学校教諭をしていたが休職し、終末期ケアのホスピスを受けたが、蒲郡市内でアパート部屋を借りて1人暮らしをしていた。
 孝さんは小田さんの遺品整理をしていた際にメモ書きを見つけた。昨年11月に書かれていた「人生最後にやりたいこと」で、その1つが写真展だった。
 写真は小田さんが学生時代の2008年に孝さんが行っていたNGO活動の手伝いとして訪れたバングラデシュで純粋に喜ぶ子どもたち、農村地帯で活動する住民、完成後のショッピングモールなど、石巻市では被災地ボランティア活動をした11年4月から2カ月間に撮影した避難所生活を送る被災者やがれきの街並みなどをコーナーに分けて展示している。
 生前書き残していた小田さんのメモにはバングラデシュでの活動では「人は物が豊かでなくても人と人とのつながりでこんなに豊かになれるものかと心打たれました」、被災地活動では「被災者の体験談などを次の世代に伝えなくてはならない」の言葉があった。
 「息子と話した思い出はない」と語る孝さん。「開発途上国など世界の現状を知って視野を広げてほしいと思っていたけど、しっかりと感じ取っていたことがうれしい」と続けた。
 小田さんが高校2年生の時に担任だった穂永由紀子さん(65)=豊川市=は「小学校教諭ではギターを弾いて児童たちと一緒になって歌うなど博愛の精神があった人でした」と話している。
 写真展は29日までの午前10時-午後8時に行っている。予約制で電話は小田孝さん方(0533・67・8159)へ。
(安藤聡)
教壇にたっていた頃の小田さん(遺族提供)
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