岡本道子(司法書士)
流行語大賞にもノミネートされたエンディングノート。ひと昔前は、万が一のことを考えるなんて縁起でもないと敬遠されていましたが、現在は、書店の専門コーナーのみならず、自治体でも独自に作成して、無料で配布しています。東三河では、豊橋市、豊川市、田原市などが配布しています。
なぜ、自治体が独自のエンディングノートを配布するのでしょうか?その理由は、高齢者支援の一環、自治体の負担軽減、空き家対策などがあります。
高齢者の単身世帯が増加し、介護や万が一の際の対応が自治体の大きな負担になっています。たとえば、家族などの関係者の連絡先が分からない場合、公費で火葬や納骨をすることがあります。また、相続人がいない(相続人が分からない)家の管理費用は、自治体が負担しています。これらの負担軽減をはかるために、エンディングノートの作成をきっかけに家族と話し合ったり、関係者の連絡先などを整理したりしてもらうことも理由のひとつとなっています。
エンディングノート作成の大切な目的は、ご自身の歩みを振り返り、今後に生かすことです。併せて、自分の情報や財産を記録する備忘録としたり、終活に関する希望や計画を記す設計図とすることもできます。ぜひ、ご活用を。
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