ながらスマホ運転で次男亡くした則竹さん講演

2019/07/18 00:01(公開)
事故でつぶれた水筒を手に講演する則竹さん=東栄中学校で
事故でつぶれた水筒を手に講演する則竹さん=東栄中学校で
 東栄町立東栄中学校(岡田守校長、生徒数54人)で16日、「命の大切さを学ぶ教室」が開かれ、県立一宮東特別支援学校教諭の則竹崇智(たかとし)さん(49)が講演した。則竹さんは、3年前に次男をスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」をしながら運転していたトラックにはねられて亡くした。「ながらスマホ運転は未必の故意であり、殺人行為。手は夢や希望をかなえるために使って欲しい」と生徒たちに訴えた。
 則竹さんの次男・敬太君(当時9歳)は2016(平成28)年10月26日に、一宮市の横断歩道を渡っていた際、「ポケモンGO」をしながら運転していた男が運転するトラックにはねられて死亡した。
 講演は「あれから993日 今も敬太と共に」を演題に行われ、全校生徒や町民らが聴き入った。
 則竹さんは敬太君の生後から撮った写真28枚のスライドショーを見せて「敬太は事故ではなく事件で殺された」と説明。運転していた男は裁判の判決で禁錮3年の実刑が下されたことに対し、「加害者は3年たつと出所してくる。しかし敬太は戻ってこない」と気持ちをあらわにした。
 事故の発生から集中治療室で死亡を見届けた時までを如実に説明して伝えた則竹さん。事故でつぶれた水筒を手にして「スマートフォンは便利でもあれば凶器にもなる。ながらスマホ運転は摘発数も増えている。交通事故は人災。ルールを守るなど当たり前のことをしていれば事故も何も起こらない」と訴えた。
 生徒会長の夏目爽良君(3年)は「他人から家族や友達の命が奪われるのはとてもつらいことがわかった。交通ルールに気を付けていきたい」と話した。
(安藤聡)
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