豊橋市中央図書館で内山金子展とエール展

2020/04/10 00:00(公開)
内山金子の生涯を紹介する展示会=豊橋市中央図書館2階で
 「鐘の鳴る丘」「栄冠は君に輝く」「オリンピック・マーチ」や、豊橋市民には「豊橋市歌」の作曲でも知られる日本を代表する名作曲家、古関裕而の妻で、豊橋出身の内山金子(きんこ)にスポットを当てた展示会「内山金子とその時代展」が、豊橋市中央図書館2階展示コーナーで開かれている。5月10日まで(変更の場合あり)。
 金子は1912(明治45)年に豊橋(当時は高師村)で生まれ、福岡尋常高等小学校(現福岡小学校)、豊橋市立高等女学校(現豊橋東高校)など経て、満州渡航の後、名古屋や東京に拠点を移して文芸や歌の道で活躍。古関裕而とは手紙で愛を育み結婚した。豊橋も舞台となっている、3月末から始まったNHK連続テレビ小説「エール」ヒロインのモデルとして一躍脚光を浴びている。
 今展では、同図書館所蔵のほか、古関裕而記念館(福島市)や豊橋東高校から借り受けた資料50点、手紙(複製)46点、パネル17枚を展示。高等女学校の成績表や卒業証書など初公開の実物資料も数多く並んでいる。金子に関する資料が少ないことから、随筆などの文献などから生きざまを探ったという。
 展示ケースには、金子の生誕や家族構成、大正時代の豊橋の様子、当時としては珍しい金子の自立する女性としての考え方を養った高等女学校の先進的な教え、文学や音楽に加え株の才も見せた話、結婚時のエピソードを、晩年まで順を追ってパネル掲示している。古関裕而とやりとりした愛情あふれる手紙も並べている。
 「何でも一途で曲がったことが嫌いな一方、非常に家族思いで芸術家の夫を支え続ける側面もあった女性。情熱的で先進的な金子の生涯を見てもらえたら」と担当の岩瀬彰利副館長。
 開催初日は100人、2日目は200人と関心のある市民が足を運んでいるという。

 一方、同館1階では「エール展」が開催中。NHK連続小説「エール」を紹介する内容で、NHKの協力のもと、出演者16人の直筆サインをはじめ、主人公を演じる窪田正孝さん、ヒロインの二階堂ふみさん、ヒロインの姉役で豊橋出身の松井玲奈さんら主要キャストの等身大パネル、ドラマの解説や豊橋でのロケ風景、人物相関図などの資料を展示している。こちらも来館者らの視線を集めている。
(田中博子)
金子が古関裕而とやりとりした手紙の複製も=同
主要キャストの等身大パネルや番組紹介などのパネルが並ぶ=豊橋市中央図書館1階で
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