新型コロナで豊橋善銀も悲鳴

2020/05/02 00:00(公開)
善意銀行の現状を語る中神真さん=豊橋善意銀行事務所で
善意銀行の現状を語る中神真さん=豊橋善意銀行事務所で
 「全く先が見えません。善意銀行としての通常業務を全くしていない状態ですね」―。毎日のようにボランティアが顔を出していたのがうそのような、静かな事務所で語るのは、豊橋善意銀行の常務理事、中神真さんだ。新型コロナウイルスの影響で主要事業は軒並み中止や延期となった。福祉施設の子どもたち向けのイベントや飲食店等への招待も、収益を善意活動にあてるバザーなども中止となってしまい、年間の計画が大幅に狂ってしまっている。
 主要事業は、3月1日に予定していた「チャリティー芸能祭」や6月21日の「チャリティー芸能大会」(共に延期)、5月31日に開催予定だった恒例の「善意フェスティバル」(中止)など。豊橋市公会堂で開かれる芸能祭や芸能大会は、地元で芸能奉仕に携わる団体有志が華やかなステージを繰り広げる。収益は善意銀行に寄付され、善意活動に活用されてきた。
 善意フェスは豊橋総合動植物公園を会場に、福祉施設の利用児者や在宅障害児者、企業・団体・個人・学生など各種ボランティアらが一堂に会し、楽しく交流するイベントだ。毎年2000人前後の参加者でにぎわっている。
 「行事ができないと八方ふさがり」と中神さん。毎年夏休みに展開する高校生のボランティア体験活動も、新学期すら始まっていない今の段階では、話を進めることもできないのだ。
 事務所に金品を持参してくれる寄付者も、外出控えの中で随分と減った。「窓口を閉めようかなと思ったこともあったんです」。しかし、こんな状況下でも、果物や菓子など物品寄付を続けてくれる市民や企業も。「今後は職員の出勤を交代制にすることも考えていくが、寄付を続けてくれる人たちのため、窓口はずっと開けておきたい」と話す。
 誕生日にずっと匿名で寄付を続けてくれる人から「今年は寄付金をマスク購入に充ててもらってもいい」との申し出も受けた。配慮に感謝しつつも、現時点ではコロナに関する義援金窓口を設ける予定はないという。「震災などとは異なり、日本全体が動けない危機的な状況。正直言って、今の段階では寄付をどこに送ればよいかも判断がつかない。今後の状況の変化を見ながら考えていきたい」とし「とにかく早い終息を願っている」と切望する。
(田中博子)
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