広重と北斎「東海道対決」 豊橋市二川宿本陣資料館で企画展

2020/05/30 00:00(公開)
広重と北斎が手がけた「東海道」を比較展示する会場=豊橋市二川宿本陣資料館で
 豊橋市二川宿本陣資料館は、企画展「広重vs北斎~ふたりが描いた東海道」を始めた。6月28日まで。
 江戸時代末期、同時代を生きたライバルの浮世絵師、歌川広重(1797~1858)と葛飾北斎(1760~1849)。同資料館は東海道に関する資料を数多く収蔵しており、今展では館蔵品である広重の「保永堂版東海道五拾三次之内」と北斎の「東海道五十三駅狂画」を全点公開、2人が描いた東海道シリーズを比較展示する。
 これまで企画展などでシリーズの中から数点を展示することはあっても、全点を並べるのは今回が初めて。点数は113点。江戸・日本橋から京・三條大橋までを順に並べている。風景画の名手として知られた広重は各地域の情景を写実的に捉え、丁寧に版を重ねた風景画を手掛け、一方の北斎は、風景に加え人物や名物を題材にした作品が多い。
 例えば「吉田(豊橋)」。広重は築城中の吉田城と豊川橋を描いているのに対し、北斎は江戸時代に吉田の名産品だったといわれる「ほくち(火口、火打石の火を受けるもの)」に目を向けた。また地元「二川」では、広重は茶屋でかしわ餅を描いているが、北斎はかしわ餅を手前の「白須賀」で題材にしている。
 「同じ時代に刺激しあって生きた2人。宿場を描いていても全く作風が違う。作家の個性を見てもらいたい」と同館では来場を呼び掛ける。入館料は一般400円、小中高生100円。豊橋市内の70歳以上100円。
(田中博子)
広重の「吉田」
北斎の「吉田」
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