蒲郡市博物館で終戦75年の企画展

2020/07/28 00:00(公開)
市川さんと、寄贈された品々
市川さんと、寄贈された品々
 蒲郡市博物館(栄町)は、「終戦から75年―あの日あの戦争」の企画展を開催している。8月30日まで。
 今年は戦後75年、戦争を体験した人も少なくなった。戦争に関する資料の展示を通じて戦争の悲惨さや平和の尊さについて考えてほしいと、明治維新後の戦争について資料を集めた。
 企画展のために、資料を提供した金平町の市川泰弘さん(80)が会場を訪れていた。従軍した父が中国の戦地から送った手紙などが展示されている。子供にも読めるように仮名を使って書いてあった。父は市川さんが3歳の時に戦死した。市川さんは「銃弾が飛び交う中、何枚も手紙を書いてくれた」と話した。
 手紙は母のたんすから見つかったという。「戦争の悲惨さを後世に伝えていければいいと思います」と話した。
 会場には日清戦争(1894年)のほか、日露戦争(1904年)当時の軍服や勲章が並ぶ。蒲郡からも多くの人が戦地へ赴き、1500人以上が命を落とした満州事変(31年)では、戦況が書かれた地図と軍刀や制服などが展示されている。
 戦時中に県内の青少年が一定期間寝泊まりして海軍式の教育を受けた「塩津海洋道場」の聞き取り調査の結果や、その場所の写真もある。
 銃後の人々の生活の様子、戦後に黒塗りされた教科書と、元々の書いてあった部分を見比べられる。竹島付近は進駐軍に接収され、保養場所となっていた当時の写真も展示されている。
【林大二朗】
米軍に接収されていた当時の竹島
米軍に接収されていた当時の竹島
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