自宅解体調査で五十嵐さん遺作見つかる

2020/09/13 00:00(公開)
五十嵐さんの遺作の一部。中には朱葉会展出品作「サントリーニの午後」や豊橋美術展出品作も=いずれも豊橋市中野町で
五十嵐さんの遺作の一部。中には朱葉会展出品作「サントリーニの午後」や豊橋美術展出品作も=いずれも豊橋市中野町で
 豊橋美術展委嘱作家として活躍してきた故五十嵐輝子さん=豊橋市=による70点以上の遺作が見つかった。自宅の解体作業に伴う調査で発見されたもので、豊橋市豊栄町のエイコウ(鎌田篤代表取締役)は、遺族の了解を得て、この遺作の展示希望者を募っている。「福祉施設などに飾って利用者に癒やしのひとときが提供できたら」と願う。
 五十嵐さんは、豊橋美術展のほか朱葉会会員などとしても活動。個人の制作のほか、市内で指導にも携わっていたが、数年前に逝去した。同居する夫も今年亡くなったことから家は空き家に。
 土地の買い手がついたことから、7月に同社が建物を解体するため屋内を調べたところ、輝子さんの遺作がたくさん見つかったのだ。このままでは作品は処分することになってしまうため、鎌田社長が「何か役に立てることはできないか」と考え、「希望する施設や病院などに贈り、見る人を癒やしてもらおう」と遺族に話を通し、寄贈することを決めたという。
 遺された作品は10号ほどの小品から50号以上の大作まで、大小70点以上の油彩画作品。風景から人物、静物と画題は多様で、中には豊橋美術展出品作、朱葉会展出品作も多数含まれている。「1枚でも多くご利用いただき、喜んでもらえたらありがたい」と同社。五十嵐さんの娘夫婦も「ごみとして捨てられてしまうより、皆さんに見てもらえれば故人も浮かばれる」と話しているという。
 空き家は来月初めには解体を始める予定といい、それまでに作品を移動させる。五十嵐さんの近所のよしみで、同町の飲食店「まかない屋」の厚意で、作品鑑賞用に部屋を臨時で一時提供する予定もあるという。問い合わせはエイコウ(0532・41・5341、担当堀尾さん。日曜休)へ。
【田中博子】
豊橋美術展出品作「飛火野新緑」や小品の数々
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