「戦争めし」原作者が桜丘高訪問

2020/11/26 00:00(公開)
小冊子の感想を述べる魚乃目さん㊨=桜丘高校で
小冊子の感想を述べる魚乃目さん㊨=桜丘高校で
 太平洋戦争下の食を紹介する漫画「戦争めし」の原作者、魚乃目三太(うおのめさんた)=本名、小鯛光彦=さん(45)が25日、「『戦争めし』ガイドブック豊橋」づくりに取り組む豊橋市南牛川の私立桜丘高校を訪れた。生徒の活動を知った魚乃目さんが、今後の作品の題材にしようと取材した。
 同校では、戦時中の苦しみなど当事者の思いを受け継ぎ、生徒たちが未来の「語り部」の一端を担おうと、「食」にスポットを当てたガイドブックを作っている。タイトルは「戦争めし」。雑誌「ヤングチャンピオン烈」で連載中の漫画「戦争めし」にちなみ、その豊橋版とした。
 企画に取り組む生徒10人が、生徒約1500人に家族へのアンケート調査を依頼し、855人から回答があった。当時の献立と食にまつわるエピソードは292話分に及んだ。その中から「サツマイモご飯」など、24話を掲載した小冊子を10月の文化祭に合わせて作り、学内で配布した。
 魚乃目さんには9月に作画協力を依頼した。実現はかなわなかったが、「今度は僕に皆さまが聞いた話をお聞かせいただけないでしょうか。そして新しく『戦争めし』を描かせてもらえないでしょうか」と返信があったという。
 同校には魚乃目さんと一緒に取材活動をする、秋田書店ヤングチャンピオン編集部副編集長の井尻恵太さん(48)が訪れた。
 魚乃目さんは生徒から、学校全体での平和活動への取り組みを聞き取った後、小冊子を受け取り、「カレーにちくわが入っていることはこの地ならではのものですか」と尋ねたり、「脱脂粉乳を飲んだ印象だけでなく、雑草を食べたという経験はすさまじい」と感想を述べたりした。
 戦争経験者らに取材を元に作品を描く魚乃目さんは「コンビニのおにぎりは三角形ですね。海軍が考え、転がらないようにしました。戦争に興味がなくても今のご飯に根付いているきっかけになればと描いています」と生徒に説明。訪問を通して「桜丘高校の取り組みそのものが『戦争めし』の題材になります。若い10代が語り部として活動しているのはすばらしい」と語った。
 同校の取り組みは12月15日発売の「ヤングチャンピオン烈」に掲載する。
【安藤聡】
話に聞き入る生徒
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戦争めしの単行本
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