外国人男性との婚姻届け受理せず女性へ豊橋市が損害賠償

2020/11/29 00:00(公開)
 豊橋市は27日、外国出身の男性との婚姻届を1年近く受理しなかった女性に対し、損害賠償金として50万円を支払う専決処分をしたと発表した。婚姻届に必要な書類がそろっていたにもかかわらず、市職員の理解不足で受理せず、生まれた子が非嫡出子扱いとなる実害が生じた。
 市によると、女性と南米出身の男性は昨年9月26日に市役所に婚姻届を出そうとしたが、市は男性の出生証明書が不十分と判断し、受理しなかった。同年12月と今年2月に女性が問い合わせても同じ対応だった。ところが8月19日に女性が電話で問い合わせした後、市が改めて法務局に確認したところ、受理要件を満たしていたという。
 女性は今年5月に男児を出産した。夫は国外におり、婚姻届が受理されておらず認知の届けもできなかったため、子供は非嫡出子扱いとなった。
 担当課は「ペルーやブラジルなどの国籍ではないため、職員の応対に不備があった。相手方に精神的苦痛を与えた」と話している。本人の意向により、男性の国籍は公表しないという。
【安藤聡】
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