障害当事者や家族、ボランティア、地域住民らが参加した「さくらピア減災学習」が29日、豊橋市障害者福祉会館「さくらピア」で開かれた。約30人が講義を受け、避難訓練に取り組んだ。
指定管理者の「豊橋障害者(児)団体連合協議会(豊障連)」が主催。長年、「福祉避難所」でもある同館で障害者や家族、行政・福祉関係者、近隣住民らが避難生活などの検証を続けてきた。避難所体験の取り組みが全市に広まってきたこと、分散避難の必要性が高まったことから防災・減災教育に切り替えた。
毎年テーマを決め、昨年は「ローリングストック」、今回は「口腔(こうくう)ケア」に焦点を当てた。豊橋市歯科医師会の近藤裕之副会長は「災害と向き合う一人の歯科医師として」と題し、災害時の口の中の健康について話をした。
災害関連死の中で特に多い「誤嚥(ごえん)性肺炎」。口内を清潔にすることで関連死のリスクが減らせるという。近藤副会長は口の健康と病気との関連性など説明し、口腔ケアの重要性を説いた。
また、県歯科衛生士会三河東部支部の岩瀬賀恵支部長と災害担当役員の平塚紗絵さんを講師に、水の無い状態での口腔ケアも体験。菓子を食べた後に口腔ウエットティッシュを指に巻いて歯や舌を清めたり、ガムや少量のマウスウォッシュ液で口内をきれいにした。近藤副会長からは「避難袋に入れる歯ブラシは普段使うより柔らかいものを」などと助言があった。
学習後は全館で避難訓練があり、館内全利用者が施設前の公園に移動、初期消火訓練を体験した。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。