豊川市八幡町には奈良時代に聖武天皇の命により、平和と繁栄を祈るために建てられた国分寺跡と国分尼寺跡がある。空から訪ねた。いずれも国指定史跡。「三河国分尼寺」は史跡公園になっている。
全国60余の国分寺と国分尼寺があった。三河国は8世紀後半に成立し、天平文化を地方に伝える役割を果たした。平安時代に荒れ果て、1922年に国指定の史跡になった。
市は85年から現在まで国分寺跡で、数回の発掘調査している。国分尼寺は後世に伝えるため発掘の調査結果に基づき、法隆寺の現存建物を参考にして中門と一部回廊を復元した。
その大きさを空から見てみよう。まずは国分尼寺から。ドローンで門の上空を飛んだ。朱塗りしたヒノキの柱や焼き上げる温度を変えて茶、黒、灰と、違う色の瓦が見える。国際色豊かな寺だったと想像できた。また、奈良時代の建築様式の再現ぶりに驚いた。
次は国分尼寺の大きさの確認だ。地上とは違い、空からだと柱の土台になる礎石が長方形に配置されているのが分かる。全体が巨大な建物だったことや金堂の大きさは隣接する寺がすっぽり入るほどの大きさだった。
次は西隣の近くの国分寺跡に向かった。ここはまだ発掘調査中で、碑だけが建つ。草原が広がり、数カ所にビニールシートが掛けられ発掘調査をしていた。国分寺の塔の跡地には木が生えていた。
今は住宅地や工場、薬局が立ち並び、舗装された道を車が行き交う。国分尼寺は奥に見えるが、立ち並ぶ住宅と見分けがつかないほど、周囲は開発が進んでいた。
生涯学習課の担当者は「国分寺跡は、調査のうえで10年後をめどに、建物があった場所を示したい」と話した。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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