豊橋市は19日の市議会全員協議会で、住民投票(7月20日)で継続が決まった「多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリア整備運営事業」の経過と、これに伴い新設移転する新野球場の基本設計について説明した。新球場の立地は当初通り「豊橋総合スポーツ公園」(同市神野新田町)で進める。球場整備について9月に市民向け説明会を開く。
新アリーナ事業は、住民投票の賛成多数を受けて事業者「豊橋ネクストパーク」へ契約解除の申し入れを取り下げた。工事の一時中止解除の意向も示し、8月から事業者との打ち合わせも始まった。今後は事業期間の変更や遅延損害金の算出などの協議を経て早期再開を目指す。
アリーナ建設による豊橋球場の廃止に伴い、新設移転する新野球場の基本設計も提示。場所は当初計画通り、豊橋総合スポーツ公園B地区に落ち着いた。
概算事業費は用地と球場を合わせた当初の約42億円から、約60億円に増える見通しだ。公園緑地課によると、事業費増の要因として他球場の面積単価ではなく、より具体的な仕様などに基づき積算の精度が上がったためとしている。
地震に伴う津波や液状化対策を増強し、競技団体の要望を踏まえた追加施設や機能向上で費用を押し上げた。サブグラウンドの舗装はメイン球場並みとし、防球ネットを高さ30㍍に倍増するなど変更を施す。国の社会資本整備交付金の活用で負担増を抑える方針。
球場周辺は津波の特定避難困難地で、サッカー場など周辺施設を含む利用者や半径2㌔以内の住民ら一時避難者は約4080人と見込まれる。球場完成後はメインスタンドや外野フェンス付近に約5500人を受け入れられる。
長坂市長は7月の定例記者会見で、野球場の立地について場所も含む検討の必要性を示した。立地問題が当初画通りに収束した点について長坂市長は「豊橋球場の廃止に伴い、新しい野球場の必要性を考えた」と説明した。
市は野球場整備の基本計画について市民向けの説明会を開く。9月5日午後7時から市総合体育館で、7日午前10時半からライフポートとよはしで。申し込み不要。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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