田原市在住のプロサーファー都築虹帆選手(21)が、世界大会の地域予選ツアー「クオリファイシリーズ(QS)」で初の2連勝を果たした。2023年にチャレンジャー・シリーズ(CS)でアジア1位となり、パリ五輪出場を期待されたが落選。「悔しくて仕方なかった時間が長かったですが、その分、この優勝は本当にうれしかった。世界で活躍するサーファーになりたい」とロス五輪出場に意欲をみせた。
【北川壱暉】
「IBK宮崎プロ」(9月11~14日)では、準決勝で野中美波選手を下して決勝に進出すると、優勝経験のある松岡亜音選手を破り、念願のタイトルを獲得した。荒天のなかでの優勝に「自分らしいサーフィンをすることに集中していた」と振り返った。声援に両手を上げて応え、「応援してくれている皆さんに『超ありがとう』を伝えたい」と喜びを爆発させた。
都築選手はウインドサーフィン好きな両親の影響で、幼少期から海で泳ぎ、サップなどに親しんでいた。本格的にサーフィンを始めたのは小学6年。波に乗ったときの疾走感にはまった。同年夏に2カ月間、本場のハワイで現地の学校に通いながら、波に乗り続けた。「世界一になって、人に夢を与えられるサーファーになりたい」と夢が膨らんだ。
中学3年にはサーフスポットの田原市に移住。その半年後にはプロ合格し、21年には日本のプロツアーで優勝。22年10月にはQS台湾大会で優勝し、アジアチャンピオンに輝いた。
急成長の一方で、それ以来表彰台に立つも勝てない時期が続いた。さらに、パリ五輪選考会で東京五輪に出場した選手らの争いに敗れた。サーフィンは技の難易度だけでなく、波運によっても大きく結果が左右する。「頑張っても結果が出ず苦しかった。レースに臨むのが苦しいと思うようになった」と明かした。
頑張れたのは「家族のおかげ」と感謝する。母真弓さんは「一番うまいよ」と伝え続けた。勝利直後、電話で報告。「優勝できたよ」と言うと、真弓さんは「おめでとう」と涙を流した。都築選手は「信じ続けて良かった」と話す。
次戦の「IBK日向プロ」でも優勝し、波に乗る。現在QSランキング2位で、来季に一つ上のランクのCSに出場するには3位以内に入る必要がある。「上のシリーズに行って、絶対にロス五輪に出場したい」と意気込んだ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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